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どうする?クマとの遭遇 蹴って撃退も「運がよかっただけ」 出没・目撃相次ぐ行楽シーズン

2024年4月26日 16:21
どうする?クマとの遭遇 蹴って撃退も「運がよかっただけ」 出没・目撃相次ぐ行楽シーズン

本格的な行楽シーズンを迎えましたが、山菜採りなどで山に入る場合、クマとの遭遇に注意が必要です。

25日に北海道名寄市の林道で男性がクマ2頭と遭遇し、近づいてきた1頭を蹴って撃退しましたが、山に入る際やクマと遭遇した場合、どのように行動したら良いのでしょうか。

観光のため車で訪れた男性がクマと遭遇した、名寄市智恵文の林道です。

男性は25日午前10時すぎ「比翼の滝」を見ようと車で林道に1人で入り、滝からおよそ2キロほど手前で車から降りたところ、異変を感じたといいます。

(クマと遭遇した男性)「この道でいいのかなと思って外に出たときに、藪のほうからガサガサ音がしたので、なんだろうと思ってのぞきに行こうと思ったら、急に2頭クマが出てきた状態ですね」

2頭のクマはそれぞれ体長がおよそ1.3メートルと1.5メートルほど。

男性とクマ2頭との距離はわずか2メートルから3メートルほどだったということです。

男性はとっさに車の運転席側に逃げたところ、1頭が車の後ろ側からまわり込み、すぐ目の前に現れたといいます。

男性は身を守るためクマの顔面を蹴ったところ、クマはその場から逃げたということです。

(クマと遭遇した男性)「ひと言でいえば運がよかっただけです。たまたま本当に逃げてくれたので助かりましたけど、あのまま2頭が襲ってきたらひとたまりもなかったかなと」

男性は空手の経験者で、当初クマを蹴った右足をひねり痛みを訴えていましたが、けがはないということです。

クマスプレーや鈴などは携帯していませんでした。

男性のケースのように突然クマと遭遇した場合、どのように行動したら良いのでしょうか。

専門家に聞きました。

(酪農学園大学 佐藤嘉和教授)「相手(クマ)がゆっくり近づいている段階や、防御的にストレスを感じて遠ざかってくれと意思表示をしているときには、こちらから刺激をせずに騒がずにゆっくりと距離をとるのが事故に遭わないために有効な対策」

名寄市では今月18日、高校近くの藪の中などでクマの目撃が4件相次ぎ、警察や消防、ハンターが警戒にあたりました。

翌日、目撃が相次いだクマと同じ個体とみられる1頭が駆除されましたが、なぜこの時期、クマの目撃や出没が相次いでいるのでしょうか。

(酪農学園大学 佐藤嘉和教授)「これからの季節は、親元を離れて自立した若い個体が新たな生息場所を探したりする中で、比較的人目に付く場所に出やすい季節になる。若い経験の浅いクマと出会うことがあるかもしれない」

山菜採りなど山に入る機会が増えるこれからの季節。

クマとの遭遇や事故に細心の注意が必要です。