進まないエアコン整備 「簡易型」でしのぐ学校も 教育現場の暑さ対策は? 北海道
2023年の記録的な猛暑を受けて、北海道の公立学校で予定されているエアコンの整備が進んでいません。
各学校では急場を「簡易型エアコン」でしのぎつつ、効果的に教室を冷やす対策も検討するなど対応に追われています。
夏に向けて徐々に日差しが強まっています。
こちらの小学校では、暑さをしのぐために「扇風機」が活躍していました。
(青柳記者)「いま扇風機をつけていただきました。風は感じるんですが、蒸し暑くなった場合は正直物足りないかもしれません」
そんな中、先月届いたのがー
(照井志暢教頭)「こちらが各教室に設置されるウインドエアコンになります」
窓枠にはめて使う簡易型のエアコンです。
(照井志暢教頭)「大型のエアコンよりは劣ると思うんですけど、何もないより熱中症対策になると考えています」
2023年の夏、道内は記録的な猛暑に見舞われ、真夏日は観測史上最も長い44日連続でした。
道教育委員会などはこれを受けて、道内の公立学校のすべての普通教室にエアコンを取り付けることを決定しました。
しかし、来月末時点で市町村立の小中学校などのエアコン整備率は19.1%にとどまる見込みです。
そこで各学校に配置されたのが、簡易型エアコンです。
こちらの学校には札幌市教委から14台が届き、来月にも設置を終える予定だといいます。
(照井志暢教頭)「なにもないよりは1台教室にあるっていうのは力強いと思います」
設置した簡易型エアコンを効果的に使うための実験も行われました。
こちらの高校では「簡易型」の効き目を最大限に引き出すために、直射日光をさえぎる素材を窓に張り付けて効果を検証しました。
結果は現在分析中で、来月にも道内の小中学校などと情報を共有します。
道教委は2023年度から、児童生徒の熱中症を防ごうと「暑さ指数」の活用も呼びかけています。
暑さ指数は気温と湿度、体などから出る放射熱の三つの要素から導かれます。
道教委は暑さ指数が基準を上回った場合、原則運動を中止するよう指導しています。
(照井志暢教頭)「(去年は)命の危険を感じるレベルの暑さだなという風に思いました。やはり暑くなってくると子どもの集中がもたないというのは正直あるかと思います。45分の授業をうまく分けて、涼む時間があったり水分補給の時間があったりということでしのいでいます」
これから夏本番に突入する道内。
記録的な暑さとなった2023年を踏まえ、あの手この手で子どもを守る対策が必要になりそうです。