71歳「お造りマイスター」変わる高齢者の働き方 技術の継承・人材不足も解消 北海道
高齢者の働き方が変わってきています。
政府は70歳まで働けるよう努力義務を設けていますが、札幌市内のスーパーでは75歳に引き上げるなど模索しているところも。
働き手と雇用する側の狙いとは…
(柳谷サツ子さん)「おはようございます。よろしくお願いします」
作業に入るため、制服に着替えていた柳谷サツ子さん。
そして中島真寿美さんです。
2人とも71歳。
ベテラン従業員として20年以上札幌のスーパーで働いています。
2人はフルーツや刺身の切り分けを担当し、特に中島さんは、切り分けの技術など社内基準をクリアした人に与えられる「お造りマイスター」という資格を持っています。
(中島真寿美さん)「自分の体と頭が動けば(働き続けて)いいかなと思っています」
(柳谷サツ子さん)「家にいるよりは体を動かしているほうがいいかな」
71歳でもまだまだ働きたいと2人は意気込みます。
実はこのスーパーでは定年は65歳ですが、深刻な人材不足があり、再雇用制度やパート契約で75歳まで働ける環境を整備しました。
(東光ストア西線6条店 佐々木宏之店長)「75歳まで勤務できる状況になっています。間違いなく従業員も増えている状況です」
そもそも政府はこれまで、65歳まで雇用を確保するよう義務付けていました。
また、2021年4月から施行された改正法では、70歳まで就業機会を確保するよう各企業に努力義務が課せられました。
定年の延長や再雇用制度など、何らかの措置をとるように推進しています。
このスーパーでは75歳まで勤務ができるため、ベテランの技術や経験が若手従業員の刺激にもなっています。
(若手従業員)「色々教えてもらっている身なので、わかりやすく教えてくれるのでお母さんみたいな存在です」
(東光ストア西線6条店 佐々木宏之店長)「後輩の社員・パートの指導という面でも一味違うなと感じています」
専門家は、人材不足に悩む企業がある一方で、高齢者の働き手は増加傾向にあるといいます。
(70歳雇用推進プランナー 河田真清さん)「年金をもらいながら少しでも収入を得たいという状況もあるが、その裏には65歳や70歳でも元気な方が多いので、働くことが生きがい、続けたいという方が多い」
いつまで働くことができるのかー
企業の問題を解決するために、高齢者を受け入れる企業が増え続けるかもしれません。