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「ナイスネイチャ」が切り開いた未来 馬の一生と向き合う“養老牧場”に密着 馬産地・浦河町

2023年10月24日 4:17
「ナイスネイチャ」が切り開いた未来 馬の一生と向き合う“養老牧場”に密着 馬産地・浦河町

熱いレースで人々を魅了する競走馬。

そのほとんどを生産している馬産地・北海道で、引退した馬に寄り添う牧場があります。

馬の一生とどのように向き合うのかー。

牧場の思いに迫ります。

馬産地の“養老牧場”

緑広がる放牧地で静かに過ごすのは、かつて競走馬として活躍していた「引退馬」。

ここは浦河町の渡辺牧場。

引退馬を専門に飼育している「養老牧場」です。

厩舎には見学客がー

(見学客)「おだやかでかわいい」

かつての競走馬たちが穏やかに暮らす姿を見て…

(見学客)「ちゃんと見てくれている牧場だと幸せそうに見えるなと思います」

早朝3時半、まだ暗いうちから馬の世話は始まります。

丁寧に馬のブラッシングをしているのは渡辺健太さん31歳。

この牧場の4代目です。

(渡辺健太さん)「これが毎日の日課ですね。この子は前歯がないので、のこさず食べるためにあえて食べさせている」

渡辺牧場で飼育している引退馬は17頭。

人間なら60歳を超える高齢の馬がほとんどです。

エサとなる干し草は食べやすいよう専用の機械で粉末状に。

お湯でさらに柔らかくしてから与えます。

ほかにも、目薬を差すなど体調管理には余念がありません。

引退馬を支える「里親制度」と馬産地の現実

馬の多くは「里親制度」を利用して飼育されています。

ファンなどが「里親」としてお金を出しあい1頭のオーナーになる制度です。

健太さんら家族は、馬の体調管理や敷地内の草刈りなど、朝3時半から夜10時ごろまで馬の世話にかかりきりです。

(渡辺健太さん)「かわいいかわいいばっかりじゃないですよね。オーナーさんから少なくないお金をもらって養っているので、使命感みたいなものはありますよね」

しかし、すべての競争馬が静かな余生を送れるわけではありません。

1年に生産される競走馬はおよそ7800頭いますが、現役引退後は多くの馬が行方不明に。

食肉になる馬も少なくないといわれています。

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