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深刻…エゾシカの食害 これが“ドローン”を使った最新「巻狩り猟」 密着!シカ猟最前線 札幌

2024年2月23日 18:47
深刻…エゾシカの食害 これが“ドローン”を使った最新「巻狩り猟」 密着!シカ猟最前線 札幌

シカによる農業被害を減らそうと、札幌市南区で大規模なシカ猟が行われました。

林の中で動きまわるシカを探すのはハンターにとって大きな負担です。

そこにひと役買ったのはドローンです。

声を出しながら山道を歩くハンター。

林に潜むシカを追い詰めていきます。

札幌市南区で2024年2月23日朝に行われたシカ猟です。

(北海道猟友会札幌支部 玉木康雄さん)「いるのは可能な限り全頭仕留めたいと思っています。賢くなってしまったシカが生き残ってしまうと、そのシカに率いられる群れは全部賢くなっちゃう」

道内で深刻化するシカの食害。

農林業の被害額は40億円を超え、駆除が急がれています。

(恩田記者)「札幌市南区の果樹園です。こちらリンゴの木なんですけども、白い部分はシカに食べられてしまった跡なんです。向こう側も木の幹はほとんど食べられてしまっています」

無残な姿に変わり果てたリンゴの木。

こちらの果樹園では電気柵に加え、オオカミを模した撃退装置で対策していますが、知恵をつけたシカとはいたちごっこが続いています。

こうした被害を減らそうと行われたのが、一度に多くのシカを駆除できる「巻狩り猟」です。

山間部の地形を利用して獲物を追い込む巻狩り猟。

「待ち」と呼ばれる射撃手と「勢子」と呼ばれる獲物を追い立てる役割に分かれ、集団で行われます。

シカを探すため、試験的に導入されたのがドローン。

上空からの映像はもちろん、温度センサーがついているため、シカの体温を頼りに探すことも可能だといいます。

(佐々木カメラマン)「いま花火の音が聞こえます。花火の音でシカを特定の場所に追い込んでいるものと思われます」

ドローンで特定したシカの位置を無線で現場のハンターに伝えます。

息を合わせて少しずつシカを追い込むハンター。

そしてー

巻狩り猟は60人態勢で行われ、オス1頭を仕留めました。

ドローンを使えば対象エリアにシカがいないことも確認できるため、ハンターの稼働時間短縮にも有効だということです。

(北海道猟友会札幌支部 玉木康雄さん)「こうやって現場とハイテクを組み合わせていけば、どんどんいい精度の追求ができるので、それが楽しみだし有効ですね。南区のこの辺りは果樹だけじゃなくいろんな作物を栽培していて、札幌市民のための台所でもある。この地域は守り抜かなければならない」

ハンターの目となり上空からシカを追い込むドローン。

狩猟の現場でも導入が期待されています。