“日本一”大きなホタテ! 顔も隠れる超特大サイズ 別海町の海が育んだ“宝石”の秘密 北海道

ぷりっぷりの貝柱は食べ応え抜群!
北海道別海町では、普通サイズの3倍もある大きなホタテが人気でブランド化も進んでいます。
口の中が一杯になるほどの巨大ホタテの味とはー
(宮永キャスター)「大きい!」
(北〇(きたまる)札幌本店 常富悟料理長)「17センチから18センチあります」
旬の食材を味わえる札幌の居酒屋です。
持ってきたのは特大サイズのホタテ!
貝殻だけでなく中身もぎっしり。
貝柱は普通サイズの3倍!
大きすぎるためカットして提供します。
こちらは、活ホタテの刺し身。
プリッとした貝柱に食欲がそそられます。
(宮永キャスター)「持った感じがずっしり。噛むと貝柱の繊維がホロホロと溶けるように、甘さが口の中に広がる。大きいが味は繊細」
こちらは、ホタテと相性抜群のバターしょうゆ焼き。
(宮永キャスター)「さらに甘みが増します!」
今が旬の大きなホタテは、別海町の野付産です。
料理長の常富さんは何度も現地を訪れ、野付産にほれ込みました。
(北〇(きたまる)札幌本店 常富悟料理長)「野付のホタテを食べたら他のホタテと全然違う。食感も大きさも違う。これを使いたいので直接漁師さんから送ってもらっている」
その漁師の小沼英樹さんがこの日、店を訪れていました。
野付産の大きなホタテに自信を持っています。
(野付産ホタテの漁師 小沼英樹さん)「歯ごたえと甘みも少しあって最高。自分たちがとっているホタテが日本一と思っているので」
日本一と太鼓判を押すホタテの産地が、道東の別海町尾岱沼地区。
野付半島の周辺が漁場です。
夜明け前、ホタテ漁船が港を出発。
日の出とともに漁は始まります。
金属製の網を引き上げるとー
ホタテが姿を現します。
とれるのはどれも大きなホタテばかり。
普通サイズと比べると一目でわかります。
大きく育つワケは、野付周辺の海流といいます。
(野付のホタテ漁師 方波見紀男船団長)「国後島と野付半島の間が狭いから潮の流れが速い。毎年のように流氷も来るからプランクトンが豊富でエサも多い」
国内シェア99%を誇る北海道のホタテ。
野付など道東では稚貝を放流し、3年ほど育てる「地まき式」が主流です。
天然物も水揚げされる野付のホタテは、豊富なエサを食べて大きく育つといいます。
中でも特に大きいサイズを「潤帆」と名付け、2025年からブランド化しました。
(漁師)「(潤帆は)16センチ以上の貝。なかなかこんな(大きい)貝はない」
記者の顔も隠れるほどの「潤帆」。
野付の海で鍛えられた貝柱は身がしまり、食べごたえがありそう。
無謀にも記者がひと口で食べようとしますがー
(武田記者)「口の中がホタテでいっぱいになります。こんな経験初めて。コリコリしていておいしい」
(野付のホタテ漁師 方波見紀男船団長)「潤帆というとジャンボとも読める(聞こえる)。野付のホタテのPRになってくれれば」
全体の1割にも満たないという貴重な「潤帆」。
地元の水産加工場では「潤帆」を売り込もうと札幌や豊洲を中心に出荷しています。
SNSでも動画を配信し、知名度アップを目指して全国に販路を広げたい考えです。
(丸イ佐藤海産 尾花英雄取締役)「北海道から九州や沖縄まで販路を拡大して、自信を持って販売していきたい」
別海町では酪農と並んでホタテはマチの誇りです。
(別海町民)「マチを代表する自慢になるもの」
マチのふるさと納税にもホタテは欠かせない存在です。
寄付額がおよそ139億円と全国5位の別海町。
返礼品の1番人気はやはりホタテです。
知名度が上がり、リピーターも増えました。
(別海町ふるさと納税担当 人羅茜さん)「(以前)一般流通では北海道産と一括りにされることが多かった。ふるさと納税は野付のブランドが広く認知されたことが大きい」
地元客でにぎわう別海町の居酒屋です。
新鮮さと大きさを生かしたホタテ料理を提供しています。
仕事終わりの客や家族連れ、周辺の町からもホタテを楽しみに訪れます。
(地元客)「メチャメチャうまい」
(地元客)「細胞がたっているというか、甘みがすごくて(地元の)宝です。本当においしい」
こちらは店のおすすめメニュー。
ホタテの三色丼です。
ワサビしょう油を和えた生ホタテに、天ぷらとバター焼きの3種類。
まさにホタテづくしです。
こちらは、洋風のアヒージョ。
オリーブオイルやニンニクとホタテのうまみを生かした逸品。
女性にも人気です。
(中標津から来た客)「貝柱が分厚くて食感が良くておいしかった」
人気の一方で、店主の大隅さんは仕入れに不安を抱えています。
ふるさと納税のほか、アメリカなど海外にも輸出。
円安の影響も加わり、ホタテが高騰しているのです。
(酔楽まる太 別海店 大隅啓年店主)「ひところからすると3倍くらい上がっている」
それでも、利益を度外視して価格を据え置き、多くの人に食べてほしいと期待します。
(酔楽まる太 別海店 大隅啓年店主)「ホントに利益なしでやっています。北海道でも東の果てで来るのは難しいと思うが、ぜひ食べてほしい」
日本一大きいと自負する別海町・野付産のホタテ。
豊かな海のおいしさと未知の食感が味わえます。
野付産のホタテがこんなに大きいことを初めて知った道民の方も多いのではないでしょうか。
野付の速い潮の流れが多くのプランクトン運び、ホタテの運動量も増えることで大きく筋肉質になるということなんです。
漁は4月までで今がまさに旬。
皆さんも味わってみてはいかがでしょうか。