札幌“スーパー仁義なき戦い” 大手撤退・買収…荒波のなか生き残りの一手とは?根本翔記者レポ
大手スーパーが撤退や買収を発表するなど、札幌のスーパーの勢力図が大きく変わろうとしています。
競争が激しさを増す中、新たなサービスを始めるスーパーも出始めています。
生き残りをかけた新たな戦略とは?
(店員)「9月からよろしくお願いします」
札幌市北区にある食品スーパー「北海市場」です。
新たなサービス開始に向け、会員の募集を呼びかけていました。
(店員)「こちらをアプリで頼んでいただいて、自宅に配達するというサービスになります」
9月から新たに始めるのが、定額制のネット宅配サービスです。
(北海市場 斉藤亮彦さん)「イトーヨーカドーが閉店することが発表されて、宅配サービスもなくなる形になる」
このスーパーの隣にあるのが、2024年7月下旬に閉店予定の「イトーヨーカドー」です。
ここで宅配サービスを利用していた顧客を取り込むのが狙いです。
(客)「便利ですよね、特に冬の日は」
(客)「いいと思います。持ち運びするって大変なので」
定額制のため料金は月額550円で、何度でも宅配を利用できます。
対象地域は北区と石狩市の一部およそ6万世帯で、自宅で置ける宅配ロッカーを無料で借りられるということです。
(根本記者)「自宅前に設置するこちらのロッカーに商品が届く仕組みです。中を開けてみると温度別になっている箱や、ティッシュ・酒の箱などが入るようになっています」
(北海市場 斉藤亮彦さん)「われわれの強みとしては、生鮮・野菜・魚・肉が強いところなので、そこを十分に活かしながらやっていくために進めています」
一方、新たに店舗を出店し、攻勢に出るスーパーもあります。
(キテネ食品館 中塚誠さん)「オープンに向けて内装工事中の現場です。手稲がいま1800人くらいなので、こっちが1500~1700人くらいを目標」
手稲区で安売りスーパーとして地域住民に根強い人気を誇る「キテネ食品館」が2024年7月、新たに豊平区に月寒店をオープンします。
このエリアに出店する狙いはー
(キテネ食品館 中塚誠さん)「小さいからこそできることがあると思うので、そこの強みを活かして、なるべく安く仕入れて安く販売する」
安売りの強みを活かし新たな顧客を獲得することが狙いです。
新店舗は住宅街に囲まれています。
国道36号や地下鉄南郷7丁目付近にもスーパーはありますが、近くに住む住民からは期待が高まっています。
(近隣住民)「遠くに買いに行くと買いだめしたりで余分にお金がかかるんです」
(近隣住民)「1円単位で安い物には興味があります」
(キテネ食品館 中塚誠さん)「付近の方々にまず愛されることが第一だと思っているので、手稲も月寒も大事にしていきたい」
勢力図が変わりつつある札幌のスーパー業界。
顧客獲得に向けた競争は激しさを増しています。