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「かなり衝撃的な決定」秋元市長が会見 札幌五輪 2038年招致も極めて困難に

2023年11月30日 18:18
「かなり衝撃的な決定」秋元市長が会見 札幌五輪 2038年招致も極めて困難に

冬季オリンピック・パラリンピックの開催地について、2030年はフランス・34年はソルトレークシティーが内定し、さきほど秋元札幌市長が東京で取材に応じました。

(秋元市長)「今回の決定はかなり衝撃的な決定と受け止めている。38年大会の優先的な対話という新しい話が出てきたことに驚いています。事実上38年を含め、将来の招致に向けての取り組みができなくなることになります。招致活動に一緒に取り組んできた皆さんと今後の方向性を近々に協議したい」

日本時間の30日未明のことでした。

(国際オリンピック委員会 カール・シュトス委員)「2030年と34年の冬季オリンピック・パラリンピックの開催に向け、フランスのアルプス地方とアメリカのソルトレークシティーが目的を絞った対話に進む」

冬季大会の開催地として、2030年はフランス・34年はアメリカのソルトレークシティーが内定したと発表しました。

さらにIOC=国際オリンピック委員会は、2038年大会についても、スイスと優先的に対話すると発表。

札幌市は東京大会の汚職事件の影響で30年大会を断念していましたが、これで34年大会の可能性も消滅し、38年の招致も極めて困難になりました。

IOCは札幌が選ばれなかった理由について、日本側から「時間がほしい」と伝えられたためだとしています。

(国際オリンピック委員会 カール・シュトス委員)「札幌はいつでも歓迎だし日本やJOCのためのドアは開かれている」

38年の開催地がスイスに決まれば、札幌の次なる目標は2042年で、20年近く先になります。

(女性)「存在自体忘れてしまいます」

(男性)「基本的にはあきらめた方がいいんじゃないの。白紙にして改めて良い悪いをも議論する必要があるんじゃないの」

(女性)「残念ではありますよね。盛り上がるだろうし、小っちゃい子もやっぱり喜ぶんじゃないかな」

専門家は20年も先を見据えた招致活動は不可能だと指摘します。

(奈良女子大学 石坂友司教授)「札幌にとっては最悪のケースをさらに上回る最悪のケース。現状このまま招致活動を続けるのはかなり厳しい」

さらに、招致が白紙となった場合問題となるのが、国の予算で改修を見込んでいたウインタースポーツ施設です。

(奈良女子大学 石坂友司教授)「大規模な改修はなかなか難しくなると考えられる。オリンピックありきではなく、これから自分たちの都市がどういう形で作っていくのか。ウインタースポーツも含めて都市計画を再考する必要がある」

20年近く先の目標に向け突き進むのか、いったん計画を白紙に戻すのかー

札幌市の招致活動は大きな分かれ道に立っています。