路線バス30円値上げの方針 運転手不足で27年ぶりの改定 札幌市が発表 市民から賛否の声
札幌市などは市内を走る路線バスの運賃を30円値上げする方針を発表しました。
運転手が不足する中、27年ぶりとなるバス運賃の改定に、市民からは賛否の声が上がっています。
札幌市民の足・路線バスに24日、大きな動きがー
札幌市公共交通協議会で発表されたのは、27年ぶりとなる市内路線バス運賃の値上げ案です。
札幌市内を走る路線バスの均一運賃を1区と2区でそれぞれ30円値上げします。
値上げの時期はことし12月です。
(札幌市公共交通協議会 吉田樹会長)「運転手の不足により路線の減便が進んでいる。その中でやはり運賃の改定も視野に入れていく」
値上げの主な要因は運転手不足。
担い手を確保するため、バス会社の負担が増えているのです。
(利用者)「バスの本数減るよりは値上げして維持してもらった方がいいと思います」
(利用者)「値上がりしない方がいいね。値段を上げても(バス本数は)増えないでしょ」
バス会社は運転手の確保に苦労しています。
(宇佐美記者)「気分がスッキリします。運転中は座ったままなのでリフレッシュにつながりそうです」
営業所に2年前から設置されたのは、軽い運動ができるトレーニングルームです。
さらに、1人でゆっくり休めるカプセルベッドも完備。
バス会社にとって働きやすい環境を整えることが急務となっています。
(ジェイ・アール北海道バス総務部 石井聡副部長)「運賃改定は心苦しいところではあるが、少しでも待遇改善を図っていかないと路線の維持もままならない」
一方で、利用者が置き去りになっているという意見も。
運賃の改定にあたり、札幌市は意見調査を実施。
市によりますと、813件の回答が寄せられ、このうち7割が値上げに賛成だったとしています。
しかしー
(終バスを復活する会 小林久公代表)「運転手さんの路線や本数を増やしてほしい。これを賛成に分けるのか反対に分けるのか、そういうことではない」
意見調査に疑問を投げかけるのは、バス路線の維持などを求め活動する団体です。
一方的な値上げに踏み切るのではなく、減便した路線の回復など利用者の要望を反映してほしいと話します。
(終バスを復活する会 小林久公代表)「賛成にせよ反対にせよ、背景にある市民の声を札幌市には受け止めてほしい」
27年ぶりに値上がりする見込みのバス運賃。
公共交通の将来を見据えた丁寧な検討が必要です。