AIの力でブドウの収穫に成功 せん定・収穫の自動化 “スマート農業”で農業の人手不足解消へ
きつい作業が多い…そんなイメージが先行し、担い手不足も問題となっている農業。
そんな状況を打開するため、AIを使ったスマート農業が少しずつ進歩しています。
最新の実験を取材しました。
収獲を待つブドウ。
そこに入ってきたのは“機械の手”です。
器用にブドウを収穫しました。
北海道浦臼町にあるワイナリーでは2年前から、AIを使ったスマート農業の実験が行われています。
そして先月、はじめてブドウの房の収獲に成功しました。
(北海道大学大学院農学研究院 野口伸教授)「収穫、せん定という一番難しい作業の自動化に取り組んだ」
ブドウなど果物の収穫を自動化するにあたり最も難しいのは、ほかの枝を切らないように重なった果物の形を正確に把握することです。
今回、最新の3Dカメラを使いブドウを認識することで、房と枝の間のわずか2ミリの「穂軸」のカットに成功しました。
(北海道大学大学院農学研究院 野口伸教授)「人が働くには苦しい作業が多い。それを自動化することでできるだけ人に負担をかけないように」
今回成功したせん定・収穫などのAI技術は、ワインの産地であるフランスやドイツなどからも多くの問い合わせがあるということです。
研究開発をしている北大と北見工大では、今後2年半で草刈りや農薬散布などトータルで自動化をすすめ、技術の実用化を目指していくということです。
こうしたAI技術を使ったスマート農業を、未来を担う子どもたちが初めて体験しました。
子どもたちがいる北広島市から20キロ以上離れた北大の農場にあるトラクターを遠隔で動かしていきます。
(子ども)「人がいない状態で一人で動かすことや耕すことができるのがすごい」
(子ども)「農業について興味が湧きました」
農業の人手不足解消に一役買えるか―
未来の農業の形を変えるような、新しい技術を駆使したスマート農業が着実に進んでいます。