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軟弱な地盤 大量の土砂流入も 遅れる新幹線トンネル工事 札幌延伸延期で有識者会議が視察

2024年5月27日 18:38
軟弱な地盤 大量の土砂流入も 遅れる新幹線トンネル工事 札幌延伸延期で有識者会議が視察

延期が確実視されている北海道新幹線の札幌延伸について、国の有識者会議の委員が、遅れが出ているトンネル工事の現場を視察しました。

国の有識者会議の委員が視察したのは、北斗市にある渡島トンネルの工事現場です。

(東海林記者)「渡島トンネルの台場山工区は地盤な軟弱なため、1か月間に20メートルほどしか掘れず工事が遅れています」

北斗市から八雲町へつながる全長32.7キロの渡島トンネルでは、地面の陥没によって土砂が大量に入り込むトラブルが発生したほか、軟弱な地質への対策が続いていて、3年から4年ほど工事に遅れが出ています。

(有識者会議 森地茂座長)「いつまでに延伸できるという話がきちっとできるというのはなかなか難しい。可能な限り手段を講じて、なるべく正確な工期を想定したい」

北海道新幹線の札幌延伸を巡っては今月、鉄道・運輸機構が2030年度末の開業は「極めて困難」と国に伝えていて、延期が避けられない状況です。

工事は羊蹄トンネルや札樽トンネルでも3年から4年程度の遅れが出ています。

まちづくりへの影響も懸念される中、札幌市の秋元市長は…

(秋元札幌市長)「まちづくりへの影響をできる限り抑制する観点を踏まえ、国や鉄道・運輸機構の検討状況の把握に努めて、開業時期に関わらず進めることが適切な取り組みは引き続き推進していく考え」

国は今後、複数回有識者会議を開いて、新たな開業時期を検討することにしています。