【特集】やらなくてもいい学校も!? 変わる“夏休みの自由研究” ことしは何を学んだ? ≪新潟≫
夏休みの宿題の定番「自由研究」。
昔は全員が取り組むものでしたが、新潟県新潟市中央区の小学校では取り組みについて9割の学校が任意に……。
時代の中で変わってきた「自由研究」……。最近はやらなくてもいいという学校も増えているということです。
この夏、子どもたちはどんなことを学んだのでしょうか。
訪ねたのは新潟市中央区にある万代長嶺小学校です。
26日に学校が再開……夏休みを終え、教室に子ども達の笑顔が戻ってきました。
この日、6年生が行ったのは夏休みの宿題となっていた「自由課題」発表会です。
〈オリジナルマップを作った児童〉
「総合的な学習の時間に勉強した新潟2kmの記事を集めてオリジナルのマップを書きました」
〈抽選マシーンを作った児童〉
「福引の玉を入れるところを固定するところが大変でした。玉に絵の具をつけて色を付ける作業も大変だった」
万代長嶺小学校は夏休みの宿題の定番「自由研究」を3年前から「自由課題」に変更。
科学の研究や工作に限らず、好きなものをみつけて学び、その成果を提出することになっています。
こちらの児童は100円ショップで購入した材料のみを使い棚を制作。
開けづらい引き出しに悩んだといいますが……?
〈“100円ショップ”棚を制作した児童〉
「ここ(引き出し)の下のあたりにろうそくを塗るとすべりやすくなる」
〈先生〉
「なるほどね、みんな知ってた?」
〈友人たち〉
「知らなかった」
中にはこんな作品も……
〈推し活グッズを制作した児童〉
「私は推しのライブに行くことになって……」
作ったのは“推し活グッズ”応援するアーティスト……”推し”のネームプレートです。
友だちを“推し”役にしてファンサービス、いわゆる“ファンサ”も説明しました。
〈推し活グッズを制作した児童〉
「私がこうしている時に一緒に(プレート)を持っていて(推しが)気付いてくれてこうしてくれるという(2人でハートを作る)。これが、ファンサというものの例。一例です」
このほか貼り絵など努力の結晶が教室に集まりました。
夏休みの定番だった「自由研究」 。
実は今、やらなくてもいいとする学校が増えています。
新潟市中央区にある小学校19校を取材した結果。
夏休みの「自由課題」いわゆる「自由研究」について“やらなくてもいい”とする学校は17校。
“全員が取り組む”としているのは万代長嶺小学校を含め2校でした。
今年度から「自由研究」を任意にしたという学校の校長は……
〈中央区の小学校校長〉
「『任意』という形にすることで子供たちがより主体的に考えられるのではないか」
このほか「親の助けが必要な場合も多く家庭によって成果に差がでる」、「共働きが増える中で家族との時間を増やしてほしい」などの理由があがりました。
親の考えも様々です。
〈”全員提出”派〉
「できればやった方がいいのかなと思います。自分で調べてみようというきっかけにもなっていいんじゃないかなって」
〈”任意提出”派〉
「ありがたいです」
Q)それはなぜでしょう?
「結局親がやっているんで」
■“全員提出”続けるのは
多くの学校で「自由研究」「自由課題」が任意となる中、万代長嶺小学校はなぜ全員がとり組む形をとり続けているのでしょうか。
〈万代長嶺小学校 江口 滋 校長〉
「自由課題は進めていくという前提で進めていくと子ども達はその中で何をしようかと選んでいく。自分が好きなものって何だろうと考えながら選び始めると思うんですね。その過程を大事にしたい」
ことしも思い思いの課題に取り組んだ子どもたち。
こちらの児童は1週間かけて歌声の合成ソフト「ボーカロイド」について研究しました。
〈1週間かけてボカロを研究した児童〉
「結構疲れたんですけど、自分の思い通りな感じにできたのですごくうれしいです。将来の夢はボカロに関するお仕事、イラスト―レーターとかそういうのをやってみたいなと思います」
能登半島地震で起きた液状化現象について学んだ児童も……
〈液状化現象について学んだ児童〉
「研究キットじゃなくて自分でペットボトルとか、砂は海の砂を集めて石は自分の家にある石を使ってやりました」
Q)6年生最後の自由課題はどんなものになった?
〈液状化現象について学んだ児童〉
「すごくいまでも誇りに思っています」
時代とともに変わる「自由研究」…… 夏休みの体験を大切にしてほしい。
そんな願いは今も昔も同じです。