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【ナゾ】新潟は「おせち」を食べない?大みそかに食べる? 地域によって違う年越し 「年取りの膳」!? ≪新潟≫

2024年12月21日 20:02
【ナゾ】新潟は「おせち」を食べない?大みそかに食べる? 地域によって違う年越し 「年取りの膳」!? ≪新潟≫

正月料理の定番“おせち”についてです。新潟県内では元日におせちを食べず、代わりに大みそかにごちそうを食べるという家庭も多くあります。
地域によって違う年越し…そのワケを専門家に聞きました。

「おせちは食べない」

新潟市内のショッピングセンターで開かれた試食会。

〈参加者〉
「こんなにおいしいんだ。違うんだと思いました」
「お酒にも合うし、ごはんにも合うなって思いました」

試食していたのは間もなく本番を迎える「おせち料理」。

12月20日の予約締切を前に舌鼓を打っていました。

しかし…

〈参加者〉
「姉妹なんですけど小さい頃からおせちとかないから」
「のっぺとかは作るんですけど、おせちはそんなに食べない」

そもそも、“おせちを食べない?”

新潟市内で聞きました

どういうことなのでしょうか?新潟市内で聞いてきました。

〈まちの人(胎内市出身 21歳)〉
Q)おせち料理食べますか?
「全然食べないですね。ここ最近はおせちよりオードブル食べることが多いです。私の家では文化として根付いていないですね」

〈まちの人(加茂市出身 18歳)〉
「おせちは食べないですね、あんまり、はい食べないです。お正月になると“のっぺ”とか郷土料理を食べますけどおせちをみんなで食べるというのはなかったです」

「おせち」を食べないという声がたくさん聞かれました。

正月ではなく“大みそか”に食べる?

さらに取材を進めていくと……

Q)おせちはいつ食べますか?
〈まちの人(京都府出身 80代)〉
「それが他のところと違って大みそかに。私の嫁いだ先はそうでした」

正月ではなく“大みそかに食べる??”

京都から結婚のため新潟にやって来たという女性。
〈まちの人(京都府出身 80代)〉
「私、大みそかに食べるというのが初めてでした。新潟に来て、なぜかは分かりませんけどそういうもんだと言われてやっていたから分からない」

Q)京都ではいつ食べますか?
「元日」

〈まちの人(新潟市出身 80代 )〉
「おせち料理は31日です」
Q)大みそかに食べることに違和感は?
「別になんにもないんですよ。だから大みそかから“かまぼこ”を並べたり“きんとん”食べたりしています」

“おせちは食べない”

“大みそかに食べる”

新潟のおせち料理にまつわるナゾ……

「『年取りの膳』ではないか」

正月文化について研究する「日本正月協会」に聞きました。

〈日本正月協会 今成優太代表〉
「新潟から東北、そして北海道の一部で、大みそかに食べるごちそうは「おせち料理」ではなく、「年取りの膳」ではないかと私は考えています」

協会によると昔の日本では1月1日に年齢が一つ増えると考えられていたことからこの日が日本人全員の誕生日。

「新年の訪れ」と「誕生日」を祝う「年取りの膳」というごちそうが食べられていました。

そして日付の変わり目が「深夜0時」ではなく日没だったため前の日の日没、つまり大みそかに「年取りの膳」が食べられていたといいます。

〈日本正月協会 今成優太代表〉
「『年取りの膳』というのが今の言葉でいう『お正月のごちそう』だったのです」

おせちはどこから?

「おせち」という名前はどこから?

協会によると語源は中国から伝わった節目のおめでたい日に食べる料理「節供(せちく)」といいます。「節供(せちく)」が「おせち」と呼ばれるようになり、明治から昭和頃に正月に食べる「おせち」が全国的に普及したといいます。しかし…

〈日本正月協会 今成優太代表〉
「新潟や東北は、おせち料理が広まらず、「年取りの膳」が残り続けていたようです」

「おせち」と「年取りの膳」

「おせち」と「年取りの膳」にはこんなつながりも…

〈日本正月協会 今成優太代表〉
「『数の子』『田作り』『黒豆』『昆布』あたりは『年取りの膳』の品目でもあり『おせち料理』の品目でもあります。誕生のお祝い、新年のお祝い、そして祖先への感謝の意味も込められています」

おせちをいつ食べる?もしくは食べない?

家庭によって違いはありますが、込められる思いは重なっているようです。

最終更新日:2024年12月21日 20:02