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津波で流された能登の太鼓が柏崎へ 漂着がきっかけでつながる“能登との縁” 《新潟》

2024年1月25日 19:13
津波で流された能登の太鼓が柏崎へ 漂着がきっかけでつながる“能登との縁” 《新潟》

石川県能登町の祭りで披露されていた太鼓が柏崎市の海岸に流れ着きました。地震で大きな被害を受けた能登町…漂着した太鼓がきっかけで能登との縁が生まれました。

砂浜に打ちあがった太鼓。

柏崎市鯨波の海岸で1月20日、見つかりました。

海岸のすぐそばで旅館を営む杤堀耕一さんです。

〈杤堀耕一さん〉
「あれは太鼓っぽいなって感じでしたね。ここはもう破れてしまっていて中は砂が詰まってたんですけど、ここにヘッドを突っ込んでシャワーで中きれいに洗って砂を出して」

太鼓をよく見てみるとそこには「白丸」という文字が…

地名ではないかと考え、すぐにスマートフォンを手に取ったといいます。

〈杤堀耕一さん〉
「検索をして能登の白丸区というところがマップ上に出てきたのでやっぱり能登から漂着したものだなと」


石川県能登町の白丸地区。柏崎市から約110キロ離れた能登半島の沿岸に位置します。

地震に襲われ、至る所に津波のあとが…いまも住民の多くは避難生活を余儀なくされています。

区会長の岩前純悦さんです。

〈岩前純悦さん〉
「津波がこの付近まで上がってきておるんですわ」

案内してくれたのは地区の集会所です。

津波が直撃し、建物は大きな被害を受けました。

この集会所に祭りで使う太鼓が保管されていました。

〈岩前純悦さん〉
「こうなっていたわけですからこのくらいのとこに太鼓が置いてあったんじゃないか」

「白丸曳山祭り」。毎年9月、地元の子どもたちが家内安全を願い、にぎやかに練り歩きます。

お囃子を披露するために太鼓の音色は欠かすことができません。

〈岩前純悦さん〉
「難しい時期ですけど大切にしてきた祭りを残したい」

津波で流されてしまった太鼓…

思わぬきっかけで見つかりました。

(投稿されたX)
「おそらく能登からだと思われます。津波で流出したのかもしれません。」

柏崎市の海岸で太鼓を見つけた栃堀さんはその日のうちにSNSで情報を発信しました。

すると、白丸地区に住む人から返信が。

(投稿されたX)
「太鼓が流れ着いている投稿を拝見し、驚きとともにとても嬉しく思います。見つけていただき発信してくださってありがとうございます」

〈岩前純悦さん〉
「まさかわたしらの太鼓がそこにたどり着いてこういうことになるとはびっくりしている。祭りの中の必需品ですから」

祭りはコロナ禍で2019年から休止していましたが、岩前さんは「将来のために太鼓を残していきたい」と話します。

杤堀さんは太鼓を大切に保管しながら何か力になれることを探したいと話します。

〈杤堀耕一さん〉
「こういうご縁がないと僕らも漠然とした支援って、気持ちはあるけどやりにくいというか届けにくい。明確に白丸の人たちを支援するとか復興を支援するということで何かができればいいなと思っている」

柏崎へ流れ着いた太鼓。能登との縁を届けてくれました。