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【特集】国道の「起点」と「終点」の数が国内最多! “国道の聖地”として注目される新潟市の本町交差点 地域の活性化目指すプロジェクトに密着 《新潟》

2024年7月6日 20:02
【特集】国道の「起点」と「終点」の数が国内最多! “国道の聖地”として注目される新潟市の本町交差点 地域の活性化目指すプロジェクトに密着 《新潟》

新潟市の本町交差点は国道の始まり「起点」と終わりの「終点」の数が日本一。
国道の聖地として実は全国から注目されているのです。

そんな中、「ない」ものねだりではなく、「ある」ものさがしで街の活性化を目指すプロジェクトに密着しました。

■新潟市の本町交差点 国道の「起終点」が日本最多

6月16日、新潟市中央区本町交差点のアーケードにとあるモニュメントが設置されました。
縦に並んだ8つの国道の標識。

新潟市の本町交差点、実は道路の始まりと終わりを表す国道の起点と終点、「起終点」が日本最多なのです。

■8つの国道が本町交差点で重なっている

この本町交差点からは日本の主要幹線、通称「ヒトケタ国道」が2つも伸びていたり、新潟と関東を結ぶ国道17号、海の上を通る国道350号など様々な国道がこの本町交差点に重なっているのです。

■「8国道の起終点があるのは新潟と高知だけ」

国道の起終点が集中することが全国的にどれだけ珍しいのか、国道愛好家として知られる佐藤健太郎さんはこう話します。

〈国道愛好家 佐藤 健太郎さん〉
「8国道の起終点っていうのは日本で新潟と高知だけですので、そこは必ず抑えておかなければいけない。必ず訪れておかねば『モグリ』と言われてしまうような必修単位の1つですね」

■ファンにとって「国道の聖地」

ここ本町交差点は国道ファンにとっては「国道の聖地」なのです。

〈国道愛好家 佐藤 健太郎さん〉
「国道の起終点は必ず『大都市でなければならない』みたいな、道路法で細かい規定がいくつかあるんですけど、日本海側の最大の都市である新潟に集まるのは必然のこと。色々な川が集まり1本になって信濃川に流れ込むように、色々な国道が集結していくという意味ではロマンを感じる」

■地元に住んでいた人は

そんな国道ファンの思いとは裏腹に、本町交差点の目の前に住んでいた経験があるという永井さんは……

〈以前 本町交差点前に在住していた 永井 隆太さん〉
「なんとなく道標があったんので、意味のあるところだということは小さい頃からは存じ上げていたんですけど、そこまで価値があるものだとは思わなかった」

国道についての石碑はすでに設置されていますが、街の人は足元を見ることなく通りすぎて行ってしまいます。

■新たな観光資源を創出へ

そのため今回の標識モニュメント設置で日本最多の国道起終点をアピール。
新たな観光資源を創出することが狙いです。

■自費でモニュメント制作

新潟のまちを地形や歴史、路地の風景などを見ながらめぐるコミュニティ「路地連新潟」の野内さんです。
なんと今回モニュメントを自費で制作しました。

〈路地連新潟 野内 隆裕さん〉
「日本で一番国道が集まっている場所がここだって話をたまにするんですけど、すごくびっくりしてくださるんですよね。やっぱり子供さんたちに自分の街の『新潟の力』を感じて楽しんでもらえるきっかけになれば」

現段階で標識モニュメントは社会実験ということで小さなサイズですが最終的に目指すのは原寸台の標識モニュメントです。


■「8連おむすびプロジェクト」

その設置を必死に呼びかける、あるプロジェクトが動いています。

その名も「8連おむすびプロジェクト」
プロジェクト名に入っている「おむすび」……こちらは食べ物ではなく国道の青い標識のこと。
おむすびが8つ重なっていることから8連おむすびとなります。

■新潟は「重要な拠点」

この標識モニュメントを地域の活性化につげられないかとプロジェクトを立ち上げたのは池田博俊さんです。

〈路地連新潟 池田 博俊さん〉
「国道がこの場所に8本重なっているのはどういうことかというと、新潟の街がそれだけ重要な拠点だったということ。今までの歴史の中の位置付けとか拠点性ということを街づくりに繋げていけるんじゃないかと」

■学生と近隣地域の代表がミーティング

ことし3月11日、新潟国際情報大学で行われていたのはプロジェクト初のミーティング。

参加メンバーはマーケティングを学ぶ新潟国際情報大学の学生と近隣地域の代表。
国道の起終点については……。

〈柾谷小路商店街振興組合 高山 卓一郎 理事長〉
「知らなかった」

〈新潟国際情報大学 学生〉
「古町……バイトでちょっと訪れたことがあるくらい」

やはりここで初めて知るという人ばかり……
ということで、まずは新潟国道事務所の職員が国道について解説。
池田さんも自ら熱弁します。

レクチャー後に行われたディスカッション。

〈路地連新潟 池田 博俊さん〉
「標識がこう8つ並んだ画ってどうです?面白い?」

〈新潟国際情報大学 加藤 佑都さん(当時3年生)〉
「あれを見て何かが連想されるようであれば面白くなるとは思う。「繋がり」ですね。その国道の繋がっている先の地点からアイデアもらってもいいかなと思ってます」

〈新潟国際情報大学 小林 萌愛さん(当時2年生)〉
「歴史とかその背景知ることで興味持つことができるので、知る機会っていうのが大切だなって思いました」

■実際にまち歩き

そこで学生たちはまず新潟市内の歩きをしてみることに。

〈新潟シティガイド 小野塚 昭美 副代表〉
「上大川前・下大川前っていう住所聞いたことありますか?『大川』っていうのは『信濃川』のこと です。なので『大川』の『前』で上大川前・下大川前っていうんですね」

シティガイドさんの解説を受けながら新潟駅前から本町まで一通り巡りました。

■まち歩きした学生たちが感じたのは

最後に、国道起終点をその目で確認した学生たち。

〈新潟国際情報大学 小嶋 未楠さん(当時2年生)〉
「石に書かれているだけだったので、歩くだけでも分かるような何かあったらいい」

〈新潟国際情報大学 小林 萌愛さん(当時2年生)〉
「こんなのあるんだっていう。多分普通に歩いたら気づかないものなのでもうちょっと目立つ感じだったら目に入るかなって思いました」

■学生がまち歩きマップの制作

その後、学生たちは新潟の街を知るための街歩きを重ね3つのテーマを掲げた街歩きマップを制作することに。

〈新潟国際情報大学 加藤 佑都さん(当時3年生)〉
「始まりが新潟駅で終わりがこの道路元票のところなので、その間で面白い説明ができるような場所、聞いてて楽しくなるような場所がないかっていうのを現在集めている途中です」

学生たちのアイデアとミニチュアの設置でプロジェクトは新たな広がりを見せています。


〈路地連新潟 池田 博俊さん〉
「実際に形になって見えると言ってた妄想は『これいいじゃん』『本当にやれるじゃん』っていう風になっていくので、本当の本物を道路元標の所に『必ず設置するんだ』という思いを今新たにしました。学生からぶっ飛んだアイデアが出てきたらいいなという風に期待しています」


■2025年度に「8連おむすび」の設置を目指す

「ない」ものねだりではなく、「ある」ものさがしで今ある街の魅力を磨きあげていく8連おむすびプロジェクト。

これからの活動にますます期待が高まります。
2024年秋に新潟市に提言をして2025年度に8連おむすびの設置を目指していくということです。