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【特集】新たなビジネス続々誕生 “稼げるまち”を目指し「にいがた2km」の経済効果を新潟市8区全体へ《新潟》

2025年3月1日 18:00
【特集】新たなビジネス続々誕生 “稼げるまち”を目指し「にいがた2km」の経済効果を新潟市8区全体へ《新潟》

新潟市の新年度予算案では、市内の中心地であるJR新潟駅から古町をつなぐ「にいがた2km」に関連する事業に、総額27億円が計上されました。

「にいがた2km」で生まれた経済効果などを市内全体の8区にどう広げていくのか……学生たちの出張授業や地域の特色を生かした魅力発信など、県外からの客を取り込むための取り組みが生まれています。

新潟市内の日本酒 学生たちがPR 

学生と酒蔵が連携して、日本酒や発酵食品の魅力をPRするイベントがJR新潟駅で開かれました。そこには、“甘口”から“淡麗辛口”まで、新潟市内で生まれた日本酒が取り揃えられていました。

新潟市8区全体の魅力を発信

日本酒を提供する学生たちは、大学などで観光や食について学んでいます。

新潟市は大学などと連携して“8区全体”にある食や文化など、魅力を再発見しようというプロジェクトを進めています。

新潟市の発酵文化を学びに 酒蔵へー

2024年12月、授業の一環として、学生たちは新潟市西蒲区にある酒蔵を訪れました。125年の歴史がある笹祝酒造です。

社長の笹口さんは、日本酒の文化や仕込みに触れることで、日本酒をより身近に感じてほしいといいます。

笹祝酒造 笹口亮介社長
「日本酒とか糀(こうじ)の話を聞かれたときに、糀というのはこういうものだと、食べたらこんな味がするとか、どこどこの酒蔵ではこうしていると言えるようになってもらいたい」

みそ蔵にも足を運ぶ「蔵ツアー」

さらに……。学生たちは北区へ移動し、みそ蔵で発酵技術を学んでいました。

新潟市に息づく「発酵文化」の魅力を若い世代に発信してもらおうと、「蔵」を巡る出張授業が企画されたのです。

山田醸造 山田弥一郎社長
「若い人たちがこれから次の子どもたちを育てていきますので、そういう方たちに広めてもらう、知ってもらうというのは一番意味があることなんじゃないかなと思います」

新潟市新年度予算案 「にいがた2km」関連に総額27億円

新潟市の新年度予算案は過去最大の4267億円となりました。そのうち、能登半島地震への対応に総額176億円、JR新潟駅と古町地区をつなぐ「にいがた2km」関連に総額27億円を計上しています。

市議会で予算案について説明した際に、中原市長が強調したことが……

中原八一市長
「事業者が稼げる環境が必要になる。人口減少時代においては需要の縮小をカバーするため、地域の外から消費や投資を取り込むことが重要です」

全国トップクラスの誘致数 IT企業が続々と新潟市へ

そこで―新潟市では、「にいがた2km」エリアに県外のIT企業などを積極的に誘致しています。2019年度からの5年間に進出したIT企業の数は57社。市によると、誘致数は全国トップクラスだといいます。

背景にあるのは、新潟市の潤沢な支援制度です。企業が「にいがた2km」エリアに進出した場合、内装工事やオフィス機器の購入費など初期費用に加え、正社員へ給与を補助しています。

新進気鋭の企業を誘致して、ビジネスを生み出し、“稼げるまち”を目指しています。

中原八一市長
「各区ならではの地域資源を国内外に発信することで、インバウンドを含めた交流人口の拡大に取り組みます」

中心部だけでなく8区全体が“潤う”ために、魅力を知ってもらうことが課題となっています。

新潟市8区の魅力が集結 商業施設でイベント開催

西蒲区産のおけさ柿や、キウイフルーツ、こだわりが詰まった加工品など、2024年秋、万代シテイで新潟市8区の特産品を集めた「ハチク・キッチン」が開催されました。

8区それぞれの特色をどのように発信し、いかに誘客につなげていくのかが課題となる中で、イベントの企画者の狙いは……

「ハチク・キッチン」企画者 原沢秀明さん
「新潟市民もそうですし、観光客の方にも足を運んでいただいて、新潟市はこの“にいがた2km”の中央区だけでなく、幅広くいろいろなものがあることをPRできたらと考えています」

県外からの誘客につながる“ファンツアーイベント”誘致を目指す

さらにことし1月、新潟市中央区の商業施設「ピアBandai」では新発田市出身で元SKE48の田辺美月さんがファンと一緒に新潟市内の観光地を巡る「推しトリップ」が企画されました。

新潟市は、アイドルやインフルエンサーなど有名人とそのファンが8区全体を回るファンツアーイベントを誘致し、県外からの誘客を目指しています。

元SKE48 田辺美月さん
「新潟に行きたいと思ってもらえる、魅力を知ってもらえる、そういうきっかけを作ることができてうれしかった」

「にいがた2km」事業の担当職員は

新潟市都市政策部 宮崎博人政策監
「8区の点在している魅力をバラバラで展開するのではなく、にいがた2km内にある様々な企業と一緒になって新しいビジネスを展開してもらうことが目的になる。(訪れた人が)お金を落とすしくみをこのにいがた2kmからつくっていきたい」

自ら発酵文化を学んだ大学生はー

みそ蔵や酒蔵などを巡り、新潟市の発酵文化について学び、発信してきた学生たちは……

大学生
「新潟に住んでいても気づけない点とかがたくさんあると思うので、私たち側から動いていくことが大切なのかなと思います」

「まだ知らない魅力がたくさんあったりとかすると思うので、知らない学生とかおうちの人にも勧めたいと思いました」

新潟駅など地域の魅力を最大限に活用し、稼げるまち新潟市へ―

若い力も巻き込んで、8区全体の魅力を活用した新たなビジネスを模索し続けます。

最終更新日:2025年3月1日 18:00