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学歴差別ともとれる発言で市長に批判相次ぐ 給与5か月分400万円以上カットを発表 「コミュニケーションの専門家から失言をしない方法を学んでいる」 《新潟・上越市》

2024年7月8日 19:50
学歴差別ともとれる発言で市長に批判相次ぐ  給与5か月分400万円以上カットを発表 「コミュニケーションの専門家から失言をしない方法を学んでいる」 《新潟・上越市》

議会で学歴差別と受け止められかねない発言を行った上越市の中川幹太市長が8日、自身の給与5か月分を全額カットすると発表しました。

この問題は、中川市長による「高校を卒業したレベルの皆さんに働いていただく。頭のいい人だけが来るわけではない」という発言をめぐるものです。

6月の市議会で企業誘致について問われた市長がそう答弁しました。

高卒者への差別と取られかねず、市長は謝罪し、発言を撤回しました。

しかし、市には電話やメールなどで批判が相次ぎ、市長は自らの処分を「給与5か月分の全額カット」と決めました。期間は7月から11月までで、計400万円以上になります。

市長は8日の会見で処分を発表し、「覚悟を示し、自らを強く戒める」と理由を話しました。

中川市長は過去にも、市内の特定の地域に対して「商店街がない」と話して、商店街の関係者から抗議を受けるなど失言を行っています。

市長は会見で「コミュニケーションの専門的な知識をお持ちの方にアドバイスを受け、失言をしないための方策について学んでいる」としました。

度重なる失言などから市長には辞職を求める声も上がっています。
しかし市長は、「通年観光など公約は道半ば。公約の実現に向け、皆さんからチャンスをいただきたい」として辞職の可能性を否定しました。


■以下、会見での記者とのやりとり(要約)

――「強い戒め」というが、これで失言はなくなるのか?
「失言をしないように努力をし続けなければいけない。努力はしている」

――どんな努力か?
「失言を繰り返したことで、コミュニケーションの専門的な知識をお持ちの方にアドバイスを受け、失言をしないための方策を学んでいる」

――給与ゼロを決断したプロセスは?
「電話やメールなどでご批判を受けている。そこを受け止め、他市の事例を参考にしながら自分自身で決断した」

――辞職を求める声があったということだが、後援組織や支持者との話し合いは?
「私自身が決めることなので、そのことは相談していない」

――これまで、上越市で給与全額カットの前例は?
「上越市ではない」

――報酬をもらわなければ、市長として責任感も生まれないのではという考え方もあるが……
「報酬をもらっている、いないではなく、公的に自分が何を果たせなければいけないかが大切。自分の掲げた公約を実現したいのが一番の思い」

――辞職は?
「公約に掲げた中で特に進めたいと思っているのが通年観光をはじめとした政策が道半ば。不適切な発言についてお詫びを申し上げなければいけないが、公約の実現に向けて皆さんからチャンスをいただきたい」

――発言のどの部分がいけなかったと思うか?
「学歴に関係なく人は活躍できるものだと私は思っている。そう表現をするところで表現方法を間違ってしまった。その部分は深く反省をしなければいけない。学歴で人を評価することがあってはならない。それは問題だ」