“紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の男性が殺害された事件で、殺人などの罪で起訴されていた元妻の須藤早貴被告の裁判員裁判の期日が決まりました。初公判は9月12日に和歌山地裁で開かれ、25回の審理を経て、判決は12月12日に言い渡される予定です。

　“紀州のドン・ファン”と呼ばれた和歌山県田辺市の野崎幸助さん（当時77）は、2018年5月、急性覚醒剤中毒で死亡しました。

　元妻の須藤早貴被告（28）は、野崎さんに殺意をもって、何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したなどとして、殺人などの罪に問われています。

　捜査関係者などによりますと、事件当日、野崎さんの家政婦が夕食の準備を終えて外出、その後、須藤被告と野崎さんは約4時間にわたり、2人きりでした。この間に野崎さんに覚醒剤を摂取したとされています。

　また、自宅の台所や掃除機からは微量の覚醒剤が検出され、事件前に須藤被告が覚醒剤の密売人と接触した形跡があったということです。須藤被告は日常的に覚醒剤を使用していた形跡はなく、野崎さんを殺害するために覚醒剤を入手した可能性が高いとみられています。

　一方で、須藤被告が野崎さんに覚醒剤を摂取させたことを裏付ける直接的な証拠は今のところ見つかっておらず、逮捕前の警察による任意の聴取に対して、事件への関与を否定していたということです。