なぜ新潟市西区で液状化被害が拡大したのか? 石川県の2倍以上に 専門家が地盤調査 《新潟》
元日の地震で新潟市西区を中心に起きた液状化現象。被害は石川県の2倍以上と深刻化しています。その原因は?
専門家が被害があった地域で地盤調査を進めています。
3月19日、新潟市西区の公園で調査を行ったのは新潟大学災害復興研究所の卜部厚志教授です。
生活再建に向けた動きが進む中、被災者へ住宅再建の参考にしてもらおうと先週から被害の実態調査を進めています。
元日の地震で新潟市西区では住宅が傾くなど液状化被害が深刻化…
液状化の被害は新潟市だけでも約1万棟。石川県全体の2倍以上にのぼります。
19日は、液状化が起きた深さを調べるためにボーリング調査で地下5mまで掘り起こし、土を採取したほか、地盤の強度を調べる調査が行われました。
すると…
そこには軟弱な地層であることを示す「自沈」という文字が。
〈新潟大学災害復興研究所 卜部厚志教授〉
「3mちょっとまでが自沈層があるのでこれが緩くなっている砂の層ということになります。3m22cmまでが全部液状化している」
卜部教授は液状化被害が少なかった新潟市中央区でも調査を行い、なぜ西区で被害が広がったのか明らかにしたいとしています。
〈西区 ときめき西2丁目 青海宏 自治会長〉
「私たちはこれからもこの地域に長く住まなければいけませんので1軒や2軒が直してもこの種の問題は解決できないと思いますから調査を通じて全体像がどのようになっているのか見極めたうえで問題解決に進めていかなければならない」
〈新潟大学災害復興研究所 卜部厚志教授〉
「(住宅を)建て直すのか修正するのかとあるところで地盤の情報が錯綜しているといけない。これをやらないと次に皆さんが進めないのでやらせていただきました」
卜部教授は調査結果を4月中旬に公表し、住民に対して地盤改良や住宅の立て直しに参考にしてほしいとしています。