東日本大震災から14年「こんな怖い地震があったと伝えたい」福島を訪れた小学生は 大分
東日本大震災から14年です。各地の沿岸部に押し寄せた大津波や福島での原発事故は大きな衝撃を与えました。
この震災を忘れまいと、大分県内でも11日、避難訓練が行われたほか、犠牲者への祈りがささげられました。今もなお支援活動を続ける人たちについてもお伝えします。
東日本大震災が発生した3月11日、児童たちに防災意識を高めてもらおうと避難訓練を行ったのは臼杵市の下北小学校です。
訓練にはおよそ160人の児童が参加。
最大震度7の地震が発生し、臼杵市にも大津波警報が発表されたという想定で行われ、児童たちは校舎の最上階に垂直避難する流れを確認しました。
◆児童
「(地震が)起きた時にちゃんと行動できるかどうかそこを考えると緊張した」
「焦らず大きい声を出さずに冷静に行動することが大切だと思う」
東日本大震災が発生した午後2時46分。県内からも祈りが捧げられました。
大分市のスーパー・コープ南春日です。
運営するコープおおいたでは震災翌年から毎年、店舗で黙とうを呼びかける館内放送を流していて、11日は県内の7店舗全てで行いました。
◆コープ南春日 新名教史店長
「震災の被害を受けた人の心は何年経っても癒えないと思うので、取り組みは続けていきたい」
コープおおいたでは東日本大震災が発生してからさまざまな支援を続けています。
そのうちの一つが「ふくしまっ子応援プロジェクト」です。原発事故の影響で、外で遊ぶ機会が減ってしまった福島の子供たちに、自然の中で思い切り遊んでもらいたいと2011年から2019年まで毎年、夏休みに大分に招待してきました。
◆コープおおいた下村卓也総合企画部長
「ふくしまっ子応援プロジェクト自体はその後、終了したが、今度は大分の子供たちを福島に連れて行って、 今の福島を知ってもらうという学習企画というのも開催した」
2022年からは、福島県新地町の教育委員会が、恩返しの意味を込めて、大分の子供たちを招待。
当時は、震度6強の揺れを観測し、津波にも襲われた新地町を2024年8月、県内の小学生18人が訪れました。
そのうちの1人、別府市の小学6年生、上田京香さんです。
◆朝日小学校6年上田京香さん
「東日本大震災についてはあまり知らなかったし、福島県に行く前まではあまり(地震の情報を)見たことも無かった」
2012年生まれの京香さん。東日本大震災の発生当時は、まだ生まれていませんでした。
京香さんは震災を体験した人に話を聞いたり、震災遺構として、当時のまま残された小学校を見学するなどしました。
そしてその体験を夏休みの自由研究でまとめました。小学校では、避難訓練をしていたおかげで誰も亡くならなかったこと、地震後は食料、トイレ、寒さに困ったことなどが書かれています。
◆朝日小学校6年上田京香さん
「みんなにもっと東日本大震災の恐ろしさを知って欲しいという気持ちで作った。こんな怖い地震があったよとか、そういうのをみんなに伝えたい」
東日本大震災を風化させない…県内ではこんな取り組みも。
大分市の教会で行われたコンサート。震災発生の翌月から県内の音楽家たちが毎月、復興支援のためにボランティアで続けてきた活動で今回で97回目です。会場に設置された募金箱には多くの人が善意を寄せていました。
◆祈りのコンサート・大分実行委員会野村陽一 実行委員長
「助かったけど辛い思いをいっぱいしたという気持ちに寄り添っていける。それがこの支援コンサートを続けていく一つの動機でもある」
14年という年月が流れ、当時を知らない若い世代も増えています。
あの震災を語り継いでいく被災地に寄り添っていく、
私たち1人1人に何が出来るのか、今後も考えていかなければいけません。