新春対談 阿部知事に聞く2025年展望 人気アニメ「名探偵コナン」から人口減少対策まで
聖地巡礼が期待されるあの人気アニメから人口減少対策まで。特集は、阿部知事との対談です 。 聞き手:稲葉キャスター
■コナン
「早速ですが、今年はアニメ名探偵コナンの信州が舞台の映画の公開が控えています。もちろん知事もご存知ですか?」
阿部知事
「もう早速、昨年は12月に台湾行ってきましたので、そこでもしっかりPRをさせていただきました。もうすごい反応だったですよ。 台湾の人たちもすごい期待しているという。野辺山の国立天文台の観測施設も予告編の絵に映り込んでいるので、長野県宇宙県だと星空きれいですよということも宣伝をさせていただきました。ぜひ多くの皆さんにコナンも見ていただきたいと思いますし合わせて長野県に遊びに来ていただくきっかけにしていきたいなというふうに思います。しっかりわれわれもPRしていきたいと思います」
「知事ご自身もこの映画の公開どうですか楽しみですか?」
阿部知事
「楽しみですね。去年は北海道が舞台だったんで、その映画を見させていただきましたし。わくわくしますよね。長野県警の皆さんも登場しますし、どうストーリーなのかなということは今から楽しみにしています。」
■宿泊税
大勢の観光客が訪れることが予想される中、直面している課題が。
1泊300円の宿泊税です。
県は2026年度の導入を目指していますが、去年は、県議会での条例案提出を見送った経緯があります。
宿泊事業者から、反対の意見が相次いだためです。
宿泊事業者 導入に反対
「宿泊税に反対なんですけれども/この宿泊税の増税分は宿泊事業者が本来/値上げで取れるべき売り上げだったと思うんですけど、その収入分よりもこの45億円の事業によって事業者の収入は増えるのか?」
宿泊事業者導入に賛成だが減額を
「観光(宿泊)税については賛成です。小さな宿泊施設なので宿泊税を300円を200円ぐらいにしていただければ、いろんなお客さま、ビジネス・観光のお客さまにも(宿泊税を)アナウンスできると思うので」
一方、県は、低価格帯の宿泊事業者に配慮して、課税対象を狭める方向で検討を進めていて、2月県議会への提出を予定しています。
「宿泊税についてさまざまな意見が出ていて、現在もあの激しくこう議論されていますよね」
知事
「特に長野県は日本の中では多くの人が認める観光県でありますし、今おかげさまで海外からも多くのお客さまがお越しいただくようになっています。ただ、その一方でいろんなアンケート等を見ると長野県にいらっしゃるお客さまの満足度は必ずしもすごい高いというわけではなくて、例えばもっと子供が楽しめる場があったらいいなとか、あるいはもっと交通が便利だったらいいよねとか。長野県に暮らしている皆さんも同じような思いを持っていると思います。観光地の整備、あるいは観光振興というのはこれまで県民の皆さま方の税金で進めさせてきていただいていますけれども、一定程度、長野県に遊びにいらっしゃる観光客の皆さんからもご負担をいただきたいということでずっと検討してきました。」
宿泊税の導入で見込まれる税収は、年間40億円余り。その使い道として、観光コンテンツの充実や観光客の受け入れ環境の整備などを掲げています。
知事
「世界水準の山岳高原観光地を作ろうという旗をずっと掲げさせていただいていますので、国内であれば例えば北海道とか沖縄とかに負けない。世界のリゾート地と競争できる、そうした長野県になるようにこの税制をまずお認めをいただいて有効に活用できるようにしていきたいと思っています」
■人口減少対策
「そして、オール信州でスタートのこの人口問題対応への期待もお聞かせください」
知事
「期待もありますけど私の立場としては非常に大きな責任があるなというふうに思っています。長野県の人口は去年200万人を切ってこれからしばらくはどれだけ出生率が上がっても人口が確実に減る。そうした中でどうやって活力のある地域を作るかということが、私たち長野県にとって重要な課題だと思っています。」
2001年のピーク時には222万人いた長野県の人口…、去年2月、およそ50年ぶりに200万人を割りました。それから10か月で、さらに1万5000人近く減っています。
年末には、人口減少対策に取り組む県民会議が立ち上がりましたが、発足までのプロセスで知事の感じたことは。
知事
「去年ずっと若い方とか女性とかいろんな皆さんと意見交換を重ねてきて、若者とか女性が暮らしやすい、働きやすい。そうした地域にまずしていきたいと思っています。どうしても都会と違って、例えば男女の固定的な性別役割分担意識があったりとかですね。あるいはどうしてもこれ会社だけじゃなくて、地域社会もなんか年功序列的で、若い人たちがなかなかあの声上げづらいとかですね。そういうところがどうしてもあると、若者とか女性にとっては暮らしづらいので、もっと寛容性の高い地域社会にしていきたいというふうに思ってます。これはわれわれ行政だけではできないので多くの皆さんと課題と方向性を共有して進めたいと思います」
阿部知事は、今年のキーワードとして、「寛容」のほか、技術革新を目指す「革新」も上げています。
知事
「AIの活用だったり、あるいはデジタル・ロボットこうしたものを極力使っていくことが重要だと思いますし、加えて女性であったり、障害者、高齢者。いろんな皆さんに働きやすい環境を作っていく。こうしたことを通じて、長野県がより豊かで元気な県にしていくということも重要だと思います。」
「経済が回るようにというところにも期待したいですね」
知事
「そうですね。やっぱりまあ良くも悪くも資本主義経済なんで、そういう中で取り残されてしまうような人たちのことをわれわれ行政がしっかりサポートすると同時に、やっぱり経済活動が例えば今で言えば価格転嫁がしっかり進むとかですね、あるいは長野県の強みとしている産業分野が例えば製造業だとか農業だとかそういう分野がもっと発展していけるようにとかですね、われわれ行政としてもしっかり取り組んでいきたいと思っています」