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【岩手発祥の新スポーツ】「ノルディックウォークアーチェリー」の魅力とは? 岩手から全国への普及を目指して

2024年12月10日 19:10
【岩手発祥の新スポーツ】「ノルディックウォークアーチェリー」の魅力とは? 岩手から全国への普及を目指して

 両手にポールを持って歩く「ノルディックウォーク」と、弓を引いて的を狙う「アーチェリー」を組み合わせた岩手発祥の「ノルディックウォークアーチェリー」という新たな生涯スポーツをご存知でしょうか。(この「ノルディックウォークアーチェリー」を全国に普及させようという動きがいま県内で加速しています。その魅力とは?

指導者「これぐらい下で持って、顎のところに持って来てください。こうすると、ここでパーにすれば飛んでいきますから」

 「アーチェリー」と森林などの長いコースを歩く全身運動の「ノルディックウォーク」を組み合わせた「ノルディックウォークアーチェリー」。

 岩手県八幡平市の宿泊施設でこの日、講習会が開かれました。講習会は新たな生涯スポーツに慣れ親しんでもらおうと、普及を目指す団体が初めて企画。もととなった「ノルディックウォーク」と「アーチェリー」それぞれの愛好者のほか、初めて体験する人など、およそ25人が新スポーツへの理解を深めました。

盛岡市の活動拠点で高橋さん
「これは40年前、一番世界で高かった弓ですね」

 盛岡市の高橋克宏さん81歳。アーチェリー歴58年。かつて全日本アーチェリー連盟の副会長も務めた大ベテランで、「ノルディックウォークアーチェリー」の考案者です。高橋さんは2010年頃から、この競技を県内の仲間20人ほどで楽しんできました。

 ことし7月、さらなる普及を目指して北海道から広島県までの愛好者が集まり、「全日本ノルディックウォークアーチェリー連盟」を発足させました。競技を思いついたきっかけは、自身や仲間の「高齢化」でした。

高橋さん
「年取ってくると弓の数も引けなくなってくるし、運動量もますます減ってくる」「ノルディックウォーキングを加えると、もうちょっと運動性ができて、エネルギーの消費量も上がって、シニアのスポーツとしてこれから良いんじゃないんかなと思って」

 「ノルディックウォークアーチェリー」は、まず2本のポールを持って1キロほどのコースを歩き、ゴール地点に設置されたアーチェリーの的を狙って、矢を3本放ちます。この流れを3回繰り返し、アーチェリーの合計点を競います。歩く速さは成績に影響しません。

 9月の講習会で、参加者は森の中につくられた、およそ700メートルのコースを2周しました。

男性「はい」女性「今時って」男性「わかります、わかります」

 森は高低差があるものの、2本のポールの支えもあって歩きやすく、参加者にとっては会話を楽しむ余裕もあるようです。ウォーキング中には、森の中ならではの「お楽しみ」もありました。

記者「何を採りました?わあ、どんぐり」
高橋さん「どんぐりじゃない、栗だよ!」「自然のスポーツだからこういうことができるんだよね」

 初心者にとって難しいのが、アーチェリーの「弓」のコントロール。高得点を挙げようと工夫しますが、一筋縄ではいかないようです。

講師「今どのあたりですか?矢、見てて、先は」
参加者「(目線の)先は真ん中」
講師「先は真ん中、ちょっと高いですね。そうするともうちょっと下向けてですね…このあたり。それでパーにしてもらって」
参加者「(矢を放つ)ああ、そんなに上に行くんだ」

 難しいからこそ、参加者はその魅力にますます夢中に。思い思いのペースで、新スポーツを堪能していました。

参加者60代女性
「なんか合体するの、すごく良いのかなと思いました」
60代男性
「ノルディックは、競わずゆったり自然観察しながら歩けるところがのんびり親しむにはとても良い競技」「アーチェリーの方は、自分が狙ったところにいかなくて、その調整をしながらやると、もうはまっていくというか」「どんどんやりたくなるスポーツだなと思いました」

高橋さん
「四季折々の季節の中で、歩いて撃つという楽しみが、十分皆さんに伝わったようです」「とにかく岩手県が発祥だから、岩手県が基盤になるような愛好者を一番増やして、それから東北、それから全国と」「これを普及させるようにスタッフと一堂、考えていきたいなと思っております」

 自然とふれあいながら取り組む新たな生涯スポーツとして、岩手から全国へ。団体は今後、雪のシーズンが終わる来年の春ごろから、改めて本格的に体験会や講習会を開く予定です。

「ノルディックウォークアーチェリー」は発展途上のため、ルールは競技を続けながら随時更新していくということです。

最終更新日:2024年12月10日 19:10