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「望みは戦争が終わること…」 ウクライナから娘の住む岩手・北上市に滞在中の女性 現地の惨状と支援への感謝を語る 

2024年10月17日 0:00
「望みは戦争が終わること…」 ウクライナから娘の住む岩手・北上市に滞在中の女性 現地の惨状と支援への感謝を語る 

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから、2年7か月あまりが経ちました。これまでプラス1でも紹介してきた、ウクライナ出身で北上市在住のトムシンスカ・ナターリアさんのもとへ滞在している、母親のラリーサさんがこのほど、テレビ岩手の取材に応じてくれました。

ウクライナ出身で北上市在住のトムシンスカ・ナターリアさんと、母親のラリーサさんです。

ラリーサさんはウクライナ中部のポルタヴァ州に住んでいて、現地でボランティア活動を行ってきました。

しかし、このほど体調を崩したこともあり、静養を兼ねて9月28日、10年ぶりに日本を訪れ、娘とその家族が住む北上市に1か月ほど滞在することにしています。

 7年ぶりに再会できたよろこびは大きいものの、ラリーサさんはやはり、祖国の現状を思うと心が休まることはないと言います。

ラリーサさん
「最近は家の上をミサイルが飛び、近くが爆撃されて近所の人が何人も亡くなっています。もういい加減にやめてほしい。この2年半余りはとても大変だったけれど、国を守るためには一般人も必要なので、息子たち(兵士)のために、私も頑張るしかない毎日でした」

 ラリーサさんは侵攻開始当初から、現地で兵士の食事や防弾チョッキを作るなどして祖国を支えてきました。

ラリーサさん
「戦争が長引き、世界中でウクライナに関するニュースが減っていて、なかには「もう終わったこと」と思っている人がいることでしょう…でもそうではなくもっと苦しく大変な状況になっています」

 娘のナターリアさんは岩手でチャリティ活動を行い、集まった支援金や物資を現地のボランティア団体へ送って祖国を支え続けています。

北上市在住 ナターリアさん
「(侵攻開始後の生活は)地獄…(自分も)普通の生活はもうできなくなっているけれど、自分よりも向こうの方が苦しいだろうし、母が来たのはうれしかったけれど、それよりも(祖国の人たちが)本当にかわいそうで…」

 ラリーサさんは今回の来日に合わせて、岩手からの支援に対する感謝の寄せ書きなどを預かってきました。

 こちらは16歳の女子高生からの手紙です。
『私たちウクライナの子どもたちは、私たちへの支援のために多くの時間を費やしてくれた、親切で思いやりのある岩手のみなさんに、心から感謝しています。(中略)みなさんからの贈り物は、地下室での困難な日常生活をしている私たちに、明るい希望を与えてくれています』

 こちらの手形は、6歳の男の子と女の子のものです。

ラリーサさんと女の子
「岩手・北上のみなさん、ありがとうございます。私たちが大変なとき、いつも応援してくれることに感謝しています」

 空襲警報が鳴るため、学校に通えない子どもたちからの、感謝の気持ちが込められています。

ラリーサさん
「皆さんからの支援が大きな助けになっていることは、幼い子どもたちもよくわかっていて、本当に感謝している気持ちを伝えたかったのです。みなさん、本当にありがとうございます。望みは戦争が終わることです。そしてそのあとには、美しかったかつてのウクライナ以上の国をつくりたいと思います」

 ロシアによるウクライナへの侵攻が始まって2年7か月あまり…心から笑える日が来ることを待ち望みながら、ラリーサさんは11月4日に帰国する予定です。

ナターリアさんは、ご覧の口座番号でウクライナへの支援金を募っています。
【ウクライナ支援ひまわりの会 振込先:北上信用金庫 店番:001  口座番号:1316397】

最終更新日:2024年10月17日 18:39