【特集】人をつなぐ③親子で2つの店同時オープン 大船渡の街に活気とにぎわいを
シリーズ「人をつなぐ」です。3回目は大船渡市に2024年オープンした「魚の駅」が舞台です。津波で大きな被害を受けた街ににぎわいをつくろうと大船渡の魅力を伝えています。
開店30分前。店内には、様々な魚介が 並べられます。開店準備が、着々と進んでいました。大船渡市の中心市街地に、2024年12月21日にグランドオープンした「魚の駅 大船渡」。県内外から運ばれてくる新鮮な魚をはじめ、お刺身や お寿司、お惣菜まで、豊富な品揃えです。
店長「じゃあ開けますよ。いらっしゃいませ」
お客さんを出迎えるのは、香ばしい串焼きの香り。開店と同時に、多くの買い物客が押し寄せます。皆さんのお目当ては、全国から届く鮮魚。「魚の駅 大船渡」は、地元の水産業者が直営しています。
運営しているのは、2007年に創業した「大力水産」。仕事が軌道に乗ってきた2011年。東日本大震災の津波で、本社工場が流されてしまいました。その2年後、同じ場所に本社工場を再建しました。
及川剛社長
「震災のときは、すごい皆で頑張って"復興しよう" "復活しよう"という強い思いの中で勢いがあった訳じゃないですか。でもコロナのときは、物があんまり動きが悪かったっていう事で、そっちの方が僕的にはしんどかったですよね」
コロナ禍にも関わらず、2021年に 新工場を建設。「魚の駅」のオープンに繋がる、及川社長の強い思いがありました。
及川剛社長
「50歳からの10年間を自分はどう生きるのかっていう事を考えたときに、やらない手はないなと。"ニューチャレンジ"です。本気でチャレンジすることに意味があるんじゃないかなと。本気の先に、見えるものを見に行こうって言った方が早いかな。そういう気持ちで、始めた感じですね」
「魚の駅」と同じ日に、隣接する店舗もグランドオープンしました。「バーベキュー&ビュッフェハッピー」は、食べ放題のお店。牛肉・豚肉・鶏肉はもちろん、休日には新鮮な魚介も並びます。皆さんをハッピーにしたいという思いが、込められています。
及川和希代表
「30歳を過ぎた辺りからですね、価値観がどんどん外に外に向いてきたっていうのが、きっかけでした。海産物は私強みではあるので、海産物とかを手軽に、手ぶらで来て焼いて食べられるような施設が欲しいなと思って、それが私なりに、町が盛り上がる盛り上げられる手法の一つかなと思って考えました」
お客さんの反応も、上々です。
お客さん
「刺身だったり海鮮だったり、あとパスタとか、あと野菜とかも食べられるで、ちょっと食べたかったらグレード上げて、蟹とか食べることもできるし。気に入っています」「ここら辺って、なかなか無いんですよね、何時間食べ放題っていうのは。だからもうできてメッチャうれしいっていうのはありますね」
おいしい料理を囲んで、人と人とが交流する。この店をきっかけにして、代表の及川さんが目指すものがあります。
及川和希代表
「私にとって"地域"とは"人"だと思っているので、その人たちが喜ぶような、町を全部巻き込むようなイベントだったりアクティビティを、やっていきたいと思っております」
開店前の「魚の駅」を視察する及川さん。実は、去年まで「大力水産」で働いていた及川社長の長男です。
及川和希代表
「仕事をしているときはやっぱ一緒にいる時間も長かったし、価値観も似ている所もあれば、全然違う所もあって。多分、2種類の… 変わり者だと思いますけど」
父親の思いは…
及川剛社長
「これからどんどんいろんな苦労をして、修羅場をくぐっていい男になっていってほしいですよね。俺みたいに」
「魚の駅」では、新鮮な魚介の販売だけではなくお食事も 提供しています。
お客さん
「サーモンといくらの海鮮丼(を食べました)。イクラもプチプチしててサーモンも、滑らかな食感でおいしかったです」
一番の人気メニューは、「海鮮丼」。マグロやサーモン、ブリなど、その日に旬の魚介が10種類ほど。どれから食べるか、目移りするひと品です。
こちらは、ボリューム満点の「ミックスフライ定食」。エビフライにカキフライ、サバフライなど8種類。とれたての 海の幸。"浜と人をつなぐ"料理です。
及川剛社長
「お互い切磋琢磨しながらそれで、相乗効果になっていければいいし、県内外からいっぱい人が『魚の駅』を目がけて来てもらえるような施設にしていきたいです」
町ににぎわいを。親子が立ち上げた新たな施設は、多彩な"食"や イベント"で、大船渡の魅力を伝えます。