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「勉強に意味はないと思っていたが、働きはじめたら必要性を感じた」公立の夜間中学校で学ぶ人たちの想い

2024年5月15日 8:00
「勉強に意味はないと思っていたが、働きはじめたら必要性を感じた」公立の夜間中学校で学ぶ人たちの想い

宮崎市の教育情報研修センターの中に、県内初の夜間中学校として開校した「宮崎市立ひなた中学校」。
生活の困窮や不登校、国の事情など様々な背景で十分な教育を受けられなかった人たちに、学びの場を提供しようと開設されました。

第1期生として入学した宮崎市在住の原田暁耶さん(17歳)は、現在は宮崎市内の会社に就職し、トラックの整備などをしています。

02 原田さん

勉強に意味はないと思っていたが、働きはじめたら勉強の必要性を感じた」と話す原田さん。
中学校で学びたいという思いが仕事をする中で芽生えてきたと話します。
原田さんの職場も協力的で、授業の開始時間に合わせ仕事を早めに切り上げていいと話してくれたそうです。

フィリピン出身の長友・リリベス・メンドサさん(47歳)は、1999年に言語学の調査でフィリピンを訪れていた夫、和彦さんと出会い結婚。3人の子宝に恵まれ、現在は夫と高校生の次男と暮らしています。

03 リリベスさん家族

リリベスさんは母親の仕事を手伝っていたため中学校に通うことができませんでした。
国籍を問わず入学できるひなた中学校を 最初に知ったのは夫の和彦さんでした。
高校2年生の息子・彦次郎さんは「母が中学校へ行くと聞いて最初は驚いたが、今は頑張って欲しいと応援する気持ち」と話します。

10代から70代までの外国籍3人を含む17人が、「学び直したい」という強い思いを胸ひなた中学校に入学しました。
日本語を勉強して中学校も終わって高校に入るのが目標」と話すアフガニスタン出身の17歳や、「中学校のころまともに勉強できなかったので学び直したい」と話す還暦の男性など様々です。
ひなた中学校の授業は平日の午後5時25分から午後9時まで。
公立の中学校で学ぶ全ての教科を学びます。

04 入学式

教職員は、スクールカウンセラーやALTなどを含め14人。
国語担当の前田恵理教諭は 生徒一人一人に合わせた授業をしていきたいと意気込みます。

05 前田教諭
  • 【話:国語担当 前田絵理教諭】
    これまでの人生経験もそれぞれ違いますので皆さんが中学校に求められている学びもそれぞれ違うと思っていますので、お一人お一人のニーズに合った授業内容が提供できればいいなと思っています。安心して学べる場所を「学びたい」という意欲が消えないように、それがもっと高まるようにしたい。「学ぶことが楽しい」とか学ぶことでご自身の生活や人生が豊かになったという実感を持っていただけるような学校づくりができればいいなと思っています。

5教科の他にも音楽や体育などの副教科も学習します。授業料は無料。

06 お知らせ

10月に入学する生徒の募集を開始しています。
5日間の体験入学を実施しており、入学を考えている人は必ず1日は体験する必要があります。
中学校に通う年齢を過ぎた人、また中学校を卒業していない人など入学条件があります。
授業の見学のほか個別相談なども行いますので、詳しくは宮崎市教育委員会 学校教育課 0985-85-1825にお問い合わせください。

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