一時停止せずに交差点に進入する車も 親子2人死亡の事故現場で緊急点検 山形・長井市
山形県長井市の国道113号で28日、車同士が衝突し、親子2人が死亡した事故を受け、警察や道路を管理する国土交通省などが31日、現場を緊急点検し対策を検討しました。
この事故は28日の午後5時前、長井市今泉の国道113号の交差点で軽乗用車と大型トラックが出合い頭に衝突したものです。軽乗用車には3人の親子が乗っていて、このうち、2人が死亡しました。警察は、軽乗用車の一時不停止が事故の原因だったとみて調べを進めています。
現場はことし3月に開通した高規格道路「梨郷道路」の起点となる交差点で、この交差点では、開通以降、出合い頭の事故が今回を含めて5件発生していました。
付近住民「一時停止してから車が見えるところまで進むだけでも危ない。標識ではなく信号じゃないとだめなのでは」
小坂憲央アナウンサー「まもなく事故のあった交差点に入る。緩やかな左カーブとなっている。そして左斜め前方は現在工事が行われていて、手前で一時停止が必要です。ただ、工事のトラックが止まっていて左から来る車に気づくのが遅れる可能性はある。見えにくいです。ここまで来てようやくはっきりと分かりました。やはり左から来る車はちょっとわかりづらいかもしれません」
重大事故の発生を受け、現場では31日午後、警察や道路を管理する国土交通省、県の担当者らが緊急の点検を行い、事故防止策を検討しました。
現場を確認している最中にもー
現場確認中のやりとり「(危険なシーンだった?) びっくりした。スピード出して行ってしまった」「今、梨郷道路から車が来た場合、衝突していたと思う」
緊急点検中にも一時停止せず交差点に進入する車が数台確認されました。
長井市交通安全協会豊田支部・遠藤義弘さん「どうしても、両方、右見て、左見て、前見ての確認がおろそかになってしまうのかなと思う」
山形河川国道事務所・葛西健司さん「113号からまっすぐ交差点にそのままのスピードで入ってくる車がいる。もう少し注意喚起しながら看板やドットラインをひいて減速してもらい、スムーズに合流できるようにしていきたい」
国土交通省は11月上旬にも注意喚起の看板を設置するなどの対策に取り掛かる方針だということです。
長井警察署・斉藤満交通課長「事故が発生してしまったということは、対策が不十分だったということ。路面標示の拡充や警戒標識の設置を考えていきたい。信号機については関係部署との調整も必要で、今後の検討材料とさせていただく」
警察は現場への信号機の設置の可否も含め事故防止策の検討を進めていきたいとしています。
一方、事故現場はことし3月に開通した新しい道路のため、カーナビの情報が古い場合、地図が正しく表示されないケースが確認されているといいます。警察は、こうした道路の場合は自分の目でしっかり判断して慎重に運転することを心がけるよう注意を呼びかけています。