豪雨被害で区間運休の米坂線 「JR単独の運営難しい」 復旧後の運営方式4案を示す
豪雨被害によって2022年8月から区間運休が続いているJR米坂線について運休区間の路線を廃止し、バス運行に転換するといった災害復旧後の4つの運営パターンが29日、JRから示されました。
JR東日本新潟支社三島大輔企画総務部長「鉄道の利用促進をしたとしても鉄道の大量輸送性が発揮できるとは考えにくい試算結果となった。したがって今回の試算結果を踏まえると被災前と同じように当社が運営することを前提とした復旧は民間企業としては持続可能性の観点から難しい」
JR米坂線の復旧方法を検討する3回目の会議は29日、小国町で開かれました。
JR米坂線はおととし8月の豪雨で橋梁の崩落や盛り土の流出などが発生。現在も長井市の今泉駅と新潟県村上市の坂町駅間が運休し、バスによる代行輸送が続いています。
会議はこれまでと同様、非公開で行われ、JR側は沿線住民の鉄道離れが進みマイカー中心のライフスタイルに変化しているといった現状や路線の利用促進がなされた場合の試算が示されました。その上で復旧後の運営方式について次の4つが示されました。
1つ目は災害前と同様にJRが車両の運行や駅舎など鉄道施設の管理を一括して行う方式。2つ目はJRが運行を担い、沿線自治体が施設の管理などを行う方式で福島県のJR只見線の一部区間がこの方式で運行しています。3つ目は第3セクターなど地域が運営する方式で岩手県の三陸鉄道がこれに当てはまります。最後に運休区間の路線を廃止し、鉄道ではなくバスで運行を続ける方式で岩手県のJR旧岩泉線が例として挙げられます。
JR東日本新潟支社三島大輔企画総務部長「今回この会議で初めて提示したのでどういう思いでこの案を出したかについてはこれから議論を進めていく。案を絞ることもあり得るし 何か新しいアイデアがあれば検討していきたい」
JR側の提案について県は「被災前と同様にJRの直轄運営が望ましいと考えているが示された選択肢を受け詳細について検討していきたい」と述べました。