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月山9合目付近で未知の石橋発見!発見者は70代トリオ!!謎に包まれた石橋の正体とはー

2023年11月7日 15:47
月山9合目付近で未知の石橋発見!発見者は70代トリオ!!謎に包まれた石橋の正体とはー

月山の9合目付近でこのほど、人工的に造られたとみられる石の橋が発見されました。誰が、いつ、何の目的で造ったのかー。その全てが謎に包まれていて、出羽三山信仰に関する新たな発見につながる可能性があるとの声も上がっています。

その石の橋は去年、西川町本堂寺を起点に月山山頂まで続く、登山道近くで発見されました。月山9合目付近、およそ1733メートルの高地で見つかったことから、調査に当たった団体は天空にある石の橋という意味の「天空石橋」と呼んでいます。

石の橋を発見・調査した主なメンバーがこちらの3人。現地調査を担当した、山形市の大沼香さん(74)、いずれも地元西川町在住で文献調査を担当した布施範行さん(77)、そして、地域との交渉などを担った宮林良行さん(74)です。

きっかけは去年6月、登山客を呼び込むために、通称「高清水通り」と呼ばれるこちらの登山道を調査したことでした。

大沼香さん「これが起点記念碑。これだけが2018年に発見された」

登山道の起点となるのが地元住民によって2018年に発見されたこちらの石碑です。「丁石」と呼ばれるもので、目標までの距離を示す目印としてかつては一丁・およそ109メートルごとに設置されていたと考えられています。

この登山道は江戸時代、出羽三山神社に向かう大勢の参拝客が通りました。

大沼香さん「ここが13丁の丁石」

こちらの丁石には13丁と刻まれ、起点からおよそ1・4キロメートル地点を示しています。さらに進むと14丁もー。丁石は大半が土に埋まった状態でしたが、3人を中心とする調査でこの1年余りの間に、新たに30もの丁石が発見されました。

かつての参拝客向けの道しるべだった可能性が高いとみられていますが、誰が、何のために置いたかはほとんど分かっていません。

大沼香さん「(丁石は)恐らく2・30キロあるはず。これを1人で運んだのかあるいは力自慢のために(競って)運んだのか、皆目検討がつかない」

「高清水通り」にはこの他にも多くの謎が存在しています。その中で最大の謎とされるのが「天空石橋」です。登山道の起点から12・7キロメートルほど、月山9合目近くの標高1733メートルの地点に存在しています。

こちらが今回新たに発見された石の橋「天空石橋」です。

自然にできたとは考えづらい造りで、小さい石から直径数十センチ前後の石を積み上げてできたように見えます。従来の登山道から、およそ65メートル東側のくぼ地にあり、去年発見されるまで存在自体が確認されていませんでした。より、安全な登山ルートを探していたところ、偶然に発見したということです。

大沼香さん「町内外の関係者や神社関係者などに写真を見せたところ、全員「初めて見る」とのことだった。建立のいきさつ、誰がなぜ、何の目的でどのように設置したのかいまだかつて分かりません」

3人の研究によりますと、この周辺には万年雪があることから、石の橋は水の神を祭るための祭壇という説や、湯殿山に祈りを捧げる場所だったのではないかなどさまざまな仮説が考えられると言います。

大沼香さん「高清水通りという往古の参詣道の途中にあるということをみなさんにぜひ知ってほしい。その建立・設置過程を想像してもらうためにも現地に足を運んでほしい」

出羽三山を巡る知られざる歴史の謎。その謎に魅力を感じて登山客が増え、地域が活性化することが3人の最終目標です。