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クマに襲われ5人が重軽傷 イノシシも出没 農作物への被害相次ぐ 今年の山形県内

2023年12月13日 17:53
クマに襲われ5人が重軽傷 イノシシも出没 農作物への被害相次ぐ 今年の山形県内

シリーズでお伝えしています「カメラが見つめたやまがた2023」。ことしは、例年になくクマの出没が相次ぎました。イノシシも含めて、なぜ増加しているのか?また、襲われた被害者がその恐怖を語りました。

市街地への出没が相次いだクマ。

「ヘルメットをしていて顔のここまで来た。動脈をやられていたら生きて帰ってこられなかった」

クマに襲われた被害者が語る恐怖。窓ガラスを破り、住宅に侵入したイノシシも。

「被害というかまずイノシシがいるとびっくりした」

人里に野生動物が出没し、私たちの日常生活を脅かした。
新年を迎えた1月7日。
南陽市の住宅地に突如、イノシシが現れた。

目撃者「イノシシが何回もしつこく噛んで逃げられずにいた」

体長およそ1メートル50センチのオス。3人が足を噛まれ、重軽症を負った。

「1時間半くらいいた。体当たりしたり奥に潜んでいたりパトカーを乗り越えて逃げていった」

こちらはイノシシに体当たりされたパトカー、タイヤがパンクしている。さらに、ボンネットに残された傷が、その衝撃の大きさを物語っていた。

「おー!」

酒田市の道路を横切るクマ。冬眠から覚めたクマの活動が本格化した5月。小国町ではー。

関英俊さん「左手の方で『うっ』て唸り声が聞こえて見たら足の方にクマが来ていた。すぐに立ち上がって噛みついてきて、次に肩を噛みつかれ次に腕を噛みつかれた。150センチ以上あった」

緊迫した状況を語るのは、小国町の関英俊さん。山菜採りに入った山でクマに襲われ、右腕の骨を折るなどの大けがをした。傷は首の近くにも。

関英俊さん「首をやられなかったので、致命傷にならずに助かった。クマは力強い。噛みついたら絶対に離さない」

県内でことし、クマの目撃件数は753件。去年から倍増し、過去10年間で2番目に多くなった。クマによる被害は農作物にも及ぶ。

記者リポート「こちらの木を見るとクマに引っかかれた跡でしょうか。樹液が垂れているのが分かる」

6月。クマに食べられたのは、収穫間際の佐藤錦およそ30キロ。木の枝がへし折られ、クマの爪痕が残されていた。
秋、西川町で捕獲されたクマの周辺には。

中川悠アナウンサー「クマが捕獲された現場周辺では、クリの木の枝が折られてしまっている。そして足元を見るとクリの実が食べられてしまっている」

クマによる食害は過去5年間で最多の66件。猟友会の関係者は「食害の背景にブナの実の凶作がある」と指摘する。

県猟友会悪七美男副会長「冬眠するために木の実を食べて脂肪を付ける。ところがことしは山奥のブナやナラの実が不作でならないから人里に下りてクリを食べている」

10月。1年間で最もクマの目撃件数が多かった。

佐々木栄一さん「遠くにはクマをしょっちゅう見ている何回も。あんな所にいると思わなかった」

大石田町に住む佐々木栄一さん。近くの山でキノコ採りをしていた所、突如、クマに襲われた。

佐々木栄一さん「4メートル前くらいにクマがいた。構えた、にらめて引っ込むといいと聞くから。そうやったつもりだけどクマがどうやって来たか瞬間的だからわからない。倒れて起きた時にはクマがいなかった」

クマに鼻の骨を折られ、およそ20日間入院して治療を受けた。

佐々木栄一さん「これは砕けたんだと思う。骨が。18か所くらい止めた」

県内ではことし、5人がクマに襲われ重軽症を負った。人的被害は過去10年間で、2020年と並び、最多だった。
人里に迫る動物は、クマだけではない。

イノシシ「いるいるいるいる!」

米沢市で目撃されたイノシシ。一方、山形市の住宅ではー。

遠藤明さん「被害よりもまずイノシシがいるとびっくりした」

山形市大森の住宅で、イノシシが1階の窓ガラスを破り、家の中に侵入。午後10時、平穏な日常を突如、襲った恐怖。

遠藤明さん「物音がして気付いた。何かなと思って自分の部屋から出て台所の扉を開けたら目の前にイノシシがいた」

家にいた家族4人は避難し、けがはなかった。

遠藤明さん「夜だったのでその時は見えなかったけど、次の日の朝見たら窓ガラス2枚と障子やふすまが壊されていてだいぶ荒れたんだなと」

中山町では、リンゴ畑に3頭のイノシシが。

「これがイノシシが堀った所。やっぱりミミズが食べたくて掘る。」

イノシシによる農作物被害は、動物の中でカラスに次いで2番目に多く、昨年度の被害はおよそ6000万円に上っている。
クマをはじめとした動物が人里に現れることについて専門家は。

岩手大学農学部山内貴義准教授「山間部に近い地方を中山間部と呼ぶ。中山間地域での高齢化が進み、管理が行き届かなくなり、人間の活動が減少。それに合わせてクマだけでなくいろんな野生動物が里に出やすい環境が実は整いつつある」

これからも増えていくことが予想される人里への出現。共存していくために、どう向き合っていけばいいのか、明確な答えはまだ見つけられていない。

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