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 法廷で投票用紙をすべて点検も原告主張の票確認できず 河北町議選で当選無効を求めた訴訟

2023年12月11日 18:18
 法廷で投票用紙をすべて点検も原告主張の票確認できず 河北町議選で当選無効を求めた訴訟

ことし4月の山形県の河北町議会議員選挙で3票差で落選した男性が、投票用紙に書かれた名前の取り扱いを巡って最下位当選者の当選無効を求めた訴訟が11日、仙台高等裁判所でありました。男性と当選者の得票を法廷で1枚ずつ点検した結果、町の選挙管理委員会の集計に問題はありませんでした。

この訴訟は、ことし4月の河北町議選で3票差で落選した斎藤隆さんが、投票用紙に書かれた名前の取り扱いを巡って最下位の当選者の当選が無効だとして、県選挙管理委員会を相手取り審査を行うことを求めているものです。
訴えによりますと、最下位当選者は現職の佐藤修二町議で、斎藤さんは佐藤さんの得票の中に「さとうたかし」と書かれた票が3票ほどあると主張。「さとうたかし」票は自身の得票になるとして佐藤さんの当選は無効であるとしています。原告の斎藤さんはこれまで県選管に審査を申し立てましたが棄却されています。
この日、仙台高裁で開かれた手続きでは、裁判長らの立会いの下、斎藤さんと佐藤さん双方の得票と疑問票をすべて点検しました。
町議選では、佐藤さんの得票数は395票、斎藤さんの得票数は392票でした。点検は河北町の選挙管理委員会が行い、法廷内で投票用紙を数える形で行われました。双方の得票を機械で数えた後、職員が手作業で1枚ずつ確認。50分にわたる点検作業の結果、斎藤さんが主張していた「さとうたかし」票は確認されませんでした。一方、「さいとうしゅうじ」と書かれた票が7票確認されました。
結果を受け、仙台高裁の小林久起裁判長は「苗字の『さとう』と『さいとう』を書き間違える可能性はあるもの、双方で大きく異なる『名前』を書き間違える可能性は低い」と指摘。「さいとうしゅうじ」と書かれた票は佐藤修二さんの得票になるとして、町の集計結果に問題はなかったとする見解を示しました。
点検結果を受けて、斎藤さんはー。

元町議・斎藤隆さん「こちらが主張していたさとうたかし票がなかったということがはっきりしただけで良かった。出来れば本当は町や県に申し立てした時点で開票して確認してもらえれば良かった」

一方、県選管はー。

県選管「県選管はさとうたかし票が存在すると疑われるような事情は認められないと採決(判断)しましたし、法廷でもそう主張してきた。その主張が表れた。集計の内容に真実性が疑われるような事情がない限りは、いったん封印された投票であり、それを改めて開封点検することは認められないとして点検しなかった」

斎藤さん側は今回の結果を受け、訴えの内容について検討したいとしています。次回の手続きは1月23日に開かれます。