山形県内の大雨被害889億円 水害としては過去最大の被害額 住宅被害は2000棟近く
7月下旬の記録的な大雨について、公共土木施設や農林水産業などの被害額が28日現在、およそ889億円に上ることが山形県のまとめで分かりました。県内で発生した水害での被害額としては過去最大です。
県によりますと28日午前9時現在、住宅の損壊や浸水などの被害は、酒田市で751棟、戸沢村で226棟など合わせて1923棟に上っています。
一方、被害額は、河川の護岸や道路の損壊など「公共土木施設」が755億円、農地・農業用施設や農作物など「農林水産業」が111億円、「教育施設」が5000万円、「商工業関係」が22億円で合わせておよそ889億円となっています。これは県内で発生した水害による被害額としては過去最大だということです。
県は、被災者の生活支援策として、現在進めている応急仮設住宅の提供に加え、冷房設備や冷蔵庫など生活家電製品の購入支援や、中小企業の施設、設備の復旧支援などの費用を9月の補正予算案に組み込むことを検討しています。このほか、農林水産業への支援として、被災農地の賃貸借料の支払いを猶予することなどを新たに決めました。
吉村知事「生活に関わる道路などのライフラインの復旧や応急仮設住宅など被災者の住まいの確保、生活再建に向けてできる限り早急な対応をして被災者の安定した生活につなげていきたい」
一方、台風10号について、県の担当者は「7月の大雨で地盤が緩んでいる場所も多いことから、気象台からの情報に留意しながら十分な備えをしてほしい」と呼びかけました。