放火容疑で逮捕された消防団の男の自宅から灯油を運んだとみられるペットボトル押収
山形県酒田市の公園にある建物の外壁に放火した疑いで、市消防団の副分団長の男が逮捕された事件で、男の自宅から灯油を運んだとみられるペットボトル数本が警察に押収されたことが分かりました。
ことし4月下旬から1か月ほどの間に酒田市の中心部で相次いで発生した8件の火事。このうち、5月30日には日和山公園内にある市公園会館の外壁が焼けました。
事件が動いたのはその翌日の31日ー。
会館の外壁に火を付けた非現住建造物等放火の疑いで酒田市消防団の第1分団副分団長、田賀一稀容疑者(27)が逮捕されました。
酒田市消防団 鈴木昭団長「大変な驚きであると同時に大変遺憾でもある。まさか消防団員がそういう事件を起こしているとは 想像もしていなかった」
市消防団によりますと田賀容疑者は2017年から消防団員となり、自動車整備の仕事をしながら活動していました。ことし4月には、第1分団の副分団長に任命されました。
酒田市消防団伊藤千秋第1分団長「訓練にもしっかりと参加していまの若者としてはしっかりとした青年だと思っていたし、意欲があって副分団長になったということなので大変ショックは隠せない」
警察の調べによりますと市公園会館の外壁から検出されていた油の成分は灯油だったことが新たに分かりました。また、警察は7日までに田賀容疑者の自宅から灯油を運んだとみられるペットボトル数本を押収したということです。警察の取り調べに対し、容疑を認め、「ストレスがあって発散したかった」と供述しています。
一方、6日夜、酒田市役所で市消防団の最高幹部会議が開かれました。会議では、再発防止策として300人を超える役職が班長以上の団員を対象に、ストレスケアや、メンタルヘルスの手法を学ぶ研修会を早期に開くことなどを決めました。
逮捕容疑となった火事現場に耐火服を着て1人で現場に出動していた田賀容疑者。警察は詳しい動機の他、他の不審火への関与についても調べています。