祈祷を行う契約を交わした際、契約解除に関する書類を交付しなかった疑いで山形・岩手両県警の合同捜査本部は、酒田市の男ら僧侶3人を逮捕しました。逮捕された3人は祈祷料として被害者らに多額の支払いを求めていたということです。

特定商取引法違反の書面の不交付の疑いで29日逮捕されたのは、いずれも僧侶で、酒田市山谷の大津幸雄容疑者（69）、福島市の真鍋明夫容疑者（67）、東根市神町中央2丁目の斎藤周二容疑者（58）の3人です。
警察の調べによりますと、大津容疑者らは酒田市内に事務所を置く宗教法人「大日院」の僧侶で、おととし6月ごろからことし4月ごろまでの間に、酒田市や岩手県一関市、宮城県登米市などのあわせて5人に対し、祈祷の申し込みを受けて契約を結んだにもかかわらず、法令で定められた契約解除に関する事項が書かれた書類を交付しなかった疑いです。
大津容疑者らは東北地方の各地で「相談料2000円」と記載したチラシなどで参加者を集めてホテルなどを会場に1対1で相談会を開き、祈祷を勧誘していました。
警察によりますと、ことし2月、祈祷の契約を交わした人から「多額の金を渡したが契約書などがなく不安」との相談が警察に寄せられ、犯行が発覚しました。今回の逮捕容疑となった被害者が祈祷料の名目で支払った額は5人合わせておよそ1000万円に上るということです。警察は3人の認否について明らかにしていませんが、同様の相談は他にも寄せられていて、警察は3人の余罪についても調べを進めています。
これまでに大津容疑者らの宗教法人が祈祷の相談会で集めた金額は4億円以上とみられています。