“有泉さん”が遺したセツブンソウ 今年も可憐に 30年余大切に世話 山梨・市川三郷町
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山梨県市川三郷町の民家の庭先で24日、春の訪れを告げるセツブンソウが見頃を迎えています。30年以上にわたり大切に育ててきた有泉大さんは天国に旅立ちましたが、セツブンソウは今年も可憐な花を咲かせました。
市川三郷町の住宅です。
荒木キャスター
「庭の一角をよく見ますと、落ち葉をかきわけるように小さなセツブンソウが咲いています。可憐さの中に力強さも感じますね」
節分のころに咲き始めることから、名前がついたとされるセツブンソウ。準絶滅危惧種に指定される希少な花です。厳しい寒さが長引いているためか、今年は例年よりも遅く見頃を迎えました。
セツブンソウは14日に亡くなった、有泉大さん(享年82)が大切に育ててきたものです。
30年以上前、庭先に咲く1輪の花を見つけたことをきっかけに手入れを始め、今では150輪以上に増えました。毎年、セツブンソウを目当てに人が訪れるたび、有泉さんは花の咲かせ方や魅力を熱心に説明していたといいます。
有泉大さんの妻・順子さん
「(大さんは)いろいろやる人だから、凝るととことんやる人なんですよね。そういうわけで一生懸命に手入れをしていたと思います。来年も咲かせたいと思いますけど、なかなか私にできるかどうか心配です」
ご主人が庭先に遺したセツブンソウ。今年は一般公開はしませんが、白くて可憐な花びらが春の訪れを告げています。