「ちゃんと治療が大事」梅毒感染者3年連続で最多更新 7割が男性 女性は20代目立つ 山梨
性感染症の梅毒が全国で急増する中、県内でも感染者数が3年連続で過去最多を更新したことが6日、分かりました。
県によりますと、梅毒は主に性的な接触で感染する性感染症で、長期間放置すると脳や心臓に重大な合併症を引き起こしたり、妊婦の場合、流産や死産のリスクが高まったりします。
県内の感染者数は近年、右肩上がりで、今年はすでに38人と去年1年間を6人上回り3年連続で過去最多となりました。
2014年以降の感染者166人を分析すると、7割を男性が占めています。世代別にみると、男性では40代が最多ですが幅広い世代で発症していて、女性では20代で目立っています。
県立中央病院感染症科 三河貴裕 医師
「ひとつの事例で言うと、例えばお店で行き会った女性と性交渉をした一回だけです、別になにかのお店とかたくさんの人と性交渉したわけじゃないです、その一回で移っちゃうとか。梅毒自体が底辺でかなり広がっていて、どんな場面でも移るようになってきた」
三河医師は感染者が増えている要因について、新型コロナの5類移行に伴う人と人との接触の増加や近年の性交渉の変化・多様化を挙げています。
また、梅毒は症状が進行すると、初期症状として現れる性器のしこりやイボなどが現れなくなることが多く、発見が遅れる要因になるとも指摘しています。
県立中央病院感染症科 三河貴裕 医師
「ある一定期間すると治まるんですけど、症状が消えただけで梅毒自体は体に残ります。長い時間を経て心臓の血管をボロボロにしてしまったりいろいろな症状が出てきますから、一回落ち着いたからといってそれではダメで、ちゃんと治療することが大事です」
県は、感染拡大を防ぐためコンドームの正しい使用のほか、保健所で匿名・無料で受けられる検査の活用を呼びかけています。