マダニ媒介の感染症に注意 重症化すると死に至るケースも 医師が対策呼びかけ 山梨県
梅雨前の今の時期から注意が必要なのが「マダニ」の感染症です。
山梨県内では感染は確認されていませんが、専門家は「すでに発症していてもおかしくない」として、対策を呼びかけています。
梅雨前の今の時期から秋にかけて活動が活発になるマダニ。
マダニにかまれると、様々な感染症にかかる恐れがあります。
例えば、発熱や頭痛などインフルエンザのような症状を発症する「日本紅斑熱」や、高熱や意識障害、腎機能障害などを引き起こすSFTS=「重症熱性血小板減少症候群」
どちらも重症化すると、死に至ることもあります。
これまで県内での感染例はありませんが、感染地域は年々、西から東へと広がっていて、「日本紅斑熱」は静岡や長野、北関東などでも確認。
「SFTS」は静岡や東京、神奈川といった隣接県で確認され、ウイルス自体は県内のマダニからも見つかっています。
こうした状況に専門家はすでに県内で発症していてもおかしくないと指摘し、注意を呼びかけています。
県立中央病院感染症科 三河貴裕医師
「『SFTS』に関しては南からどんどん報告が北上していて、感染する人もそろそろ県内で出てきてもおかしくない。みなさん個人が(症状に)気づいて医者が適切に診断や治療をできるようにしていかないと、もしかしたら見逃している可能性もある」
マダニは動物の血を吸うため、木の葉や草の裏などで動物が通りかかるのを待ち構えています。
このため、やぶや畑に入る場合は長袖・長ズボンで肌の露出を少なくし、虫よけを使うなどの対策が重要だと指摘します。
県立中央病院感染症科 三河貴裕医師
「自分の周りでシカやキツネ、タヌキなどを見かけたと思ったらそこにはダニがいる。思ったよりも山ではない場所にいる。人々が活動してダニも増える時季。これから夏までちょうどこの時季から、ダニにかまれることに気を付けましょう」
また、三河医師はやぶや畑に入った数日後から熱や発疹が出たりダニにかまれた痕が黒ずんだりしたら、早めに受診するよう呼び掛けています。