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【独自解説】『ファッション代横領疑惑』に『シャネルのジャケット“借りパク”疑惑』… “ファッション外交”で名を馳せた韓国・ムン・ジェイン前大統領の妻キム・ジョンスク夫人に疑惑再燃!「検察が召喚する可能性も」

2024年8月19日 16:00
【独自解説】『ファッション代横領疑惑』に『シャネルのジャケット“借りパク”疑惑』… “ファッション外交”で名を馳せた韓国・ムン・ジェイン前大統領の妻キム・ジョンスク夫人に疑惑再燃!「検察が召喚する可能性も」
もてはやされた“ファッション外交”だが…

 韓国・前大統領ムン・ジェイン氏の妻キム・ジョンスク氏に取り沙汰されている『政府のカネでブランド服“爆買い”疑惑』。2022年にも告発されていましたが、最近になって不正を裏付ける新たな証言が浮上!疑惑が再燃しています。さらには“シャネルのジャケット借りパク疑惑”も…?!韓国事情に詳しい龍谷大学・李相哲教授の解説です。

■第1の疑惑:『ファッション代横領疑惑』 衣装178着・アクセサリー207個など数億ウォン分“爆買い”か

 『ファッション代横領疑惑』『ジャケット“借りパク”疑惑』など、前大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏の妻・金正淑(キム・ジョンスク)氏(69)に取り沙汰される数々の疑惑。

 『ファッション代横領疑惑』とは、ムン前大統領の在任期間中に、キム・ジョンスク氏が衣装178着・アクセサリー207個など数億ウォンを政府費用で購入していたのではといわれている疑惑です。

 2024年7月24日放送『TV朝鮮』の報道によると、2022年には市民団体が「キム・ジョンスク夫人の洋服代に青瓦台の特殊活動費(政府費用)が使われた」として、『国庫損失などの疑い』で告発していました。

 『青瓦台(大統領府)の特殊活動費』とは、犯罪捜査・諜報活動など秘密保持が必要な業務の遂行に使用されるもので、領収書処理なしで使用可能という特徴があります。使用権限があるのは、『国家情報院』『国防部』『警察庁』『法務部』『大統領府』『国会』などの中央機関です。

(李教授)
「市民団体が情報開示を求めて訴えて、法廷では『開示しろ』という命令が出たのですが、大統領府は『これは国家安保に関わる問題だから開示できません』と拒否しました。そのうちにムン大統領が退任し、その記録は大統領記録院という所に入ったものですから、誰も調べることができなくなりました」

Q.元々が犯罪捜査や諜報活動に使うお金なので、表にはできないということですか?
(李教授)
「韓国は少し特殊な事情もあって、年間約8500億ウォンぐらいの諜報予算があります。その中の6000億ウォンは国家情報院が使って、他の部署は、例えば検察は犯罪の情報提供者にお金を渡したり、大統領府にも特別活動費があったりします。政権によって違いますが、ムン・ジェイン政権時代は年間100億~200億ウォンを使っています」

Q.北朝鮮という存在があるから、韓国は少し特殊なのですか?
(李教授)
「主に、そこに使われたと思います。朴槿恵(パク・クネ)政権時代から金正恩(キム・ジョンウン)暗殺も考えていたといわれますので、恐らくそのような活動にお金を使ったのだと思います」

 ただ、韓国には『国庫等損失罪』という罪があります。「国または地方自治体の会計を担当する公務員等が罪を犯し、損失が一定金額を超えた場合」は金額に応じて懲役刑になるというもので、「1億ウォン以上5億ウォン未満」は3年以上の有期懲役、「5億ウォン以上」は無期または5年以上の懲役が科されます。

■新証言で疑惑再燃!「現金数万ウォンを…」罪に問われる可能性

 この疑惑が再び盛り上がっているワケは、新証言が出てきたためです。ソウル・江南(カンナム)の衣装室関係者が、「キム・ジョンスク氏が数十着の服を現金数千万ウォン(日本円で数百万円)で買って行った」と話しているのです。

 『TV朝鮮』は、服を買うときに使った現金は「韓国銀行の帯封がついた『官封券』とみられている」と報じました。

 『官封券』とは、韓国造幣公社から発行されたばかりの新札のことで、金融関係者によると「一般の人は見ることさえできないお金」で、ましてや使うことはできないといいます。警察は、現金の出所を確認する方針です。

Q.一般の人が見ることはない『官封券』を使ったのですか?
(李教授)
「具体的な証言もあって、私も『官封券』は見たことがないのですが、帯が十字になっていたということです。しかも、キム・ジョンスク氏はそれを大統領府の封筒に入れて、数千万ウォンをその場で支払ったという証言があります」

 しかし、韓国の法律に詳しい金紀彦弁護士によると、キム・ジョンスク氏の場合は「国または地方自治体の会計を担当する公務員等」に当たらないとして、単独または直接的に罪の主体にはならないということです。

Q.公務員ではないから、単独であれば罪にはならないということですか?
(李教授)
「ただ、買った服などを自分のものにして自宅に持ち帰っていた場合は『盗み』になりますから、これから捜査しなければならないと思います」

 さらに罪となるケースとして、金弁護士は「キム・ジョンスク氏が主導して会計担当の公務員に罪を犯させる、または一緒に罪を犯した場合は『共同正犯』の可能性」「会計担当の公務員をそそのかして罪を犯させた場合は、『教唆犯』の可能性」があると指摘しています。

■第2の疑惑:「『シャネル』のジャケット“借りパク”疑惑」 問題は“行方”ではなく結局“カネ”か

 続いての疑惑は、『シャネルのジャケット“借りパク”疑惑』です。

 2018年のフランス訪問時に着ていたハングルモチーフのジャケットは『シャネル』のもので、約100万円という高価なものでした。ただ、それはレンタルで、その後返却したということになっていました。

 しかし2022年、この時のジャケットとされる衣装が仁川(インチョン)空港に展示されましたが、ネットでは「服の濃淡が違う」「ハングルモチーフの位置も違う」といった声があがり、この2つは別物だと議論に。

 2022年3月の時点では、韓国政府は「このジャケットはシャネルに返却し、シャネルが国立ハングル博物館に寄贈したものだ」としていて、シャネル側も同じ証言をしていました。

 ところが、1か月後の2022年4月、「展示されたジャケットは、博物館の要請で別途製作・寄贈したもの。夫人が着たジャケットは返却後、フランスのシャネル本社で保管しています」と証言を変えました。つまり、“別物である”と認めたことになります。

 しかし、『国民の力』ソウル市議会議員が「本社で保管されているというが、誰も見た人がいない」と追及し、検察に告発。このような追及の声が高まったことで、検察は調査に乗り出し、2024年7月には国立ハングル博物館長などを事情聴取しました。同月末には、ジャケットを最初に展示した駐フランス韓国文化院の元院長を、参考人として調査したということです。

 疑惑のジャケットについて、李教授は「キム・ジョンスク夫人本人が持っていると見られている。検察が召喚する可能性が高い」との見解を示しています。

Q.キム・ジョンスク氏は、検察に召喚されますか?
(李教授)
「そう噂されていて、じきに召喚されるといわれています。問題は、大統領府関係者も最初は『そのジャケットは返した』と言いましたが、シャネル本社がそれを貰ったって、“使い道”がないんです。体格の良いキム・ジョンスク夫人に合わせて作ったものなので売ることもできないし、展示もできません。だから、行方もですが、買ったときのお金をどこから捻出したのかが問題になっています」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年8月14日放送)