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【速報】転移・再発した乳がん患者に新たな治療薬「PT0101」の治験を世界で初めて開始 大阪大学などの研究グループ 抗がん剤治療への“耐性”を抑える効果

2025年3月12日 14:00
【速報】転移・再発した乳がん患者に新たな治療薬「PT0101」の治験を世界で初めて開始 大阪大学などの研究グループ 抗がん剤治療への“耐性”を抑える効果
大阪大学の島津研三教授(12日)

 大阪大学の島津研三教授らの研究グループは、12日午後に記者会見を行い、再発や転移した乳がんに対する新たな治療薬の治験を世界で初めて開始すると発表しました。

 乳がんは国内に約10万人の患者がいますが、転移や再発をした場合、十分な治療薬がありませんでした。特に乳がん患者の約80~85%を占める「HER2陰性乳がん」は、治療法が少ないのが現状です。

 研究グループはこれまでに、がん細胞の周辺で分泌されるタンパク質「病的ペリオスチン」が抗がん剤への耐性を持つなど、治療の効果を減少させることなどを突き止めてきました。

 新たな治験薬「PT0101(抗ペリオスチン抗体)」は、点滴による投与により、この病的ペリオスチンの作用を抑制し、抗がん剤治療を効果的にすることが期待されています。

 治験は「HER2陰性乳がん」の中でも再発や転移した乳がん患者を対象に開始し、安全性や有効性の確認し、2030年以降の実用化を目指すということです。

 島津教授は12日の会見で、「乳がんは再発したら治りにくく、治療期間も長くなる。新たな観点からのアプローチを通して、患者の希望の光になれば」と話し、治験に期待を込めました。

最終更新日:2025年3月12日 14:55