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【速報】宝塚歌劇団を法人化「株式会社」に…ガバナンス強化の一環 6年目以降の劇団員も雇用契約に 阪急阪神HDが発表「新しい時代に相応しい形へと進化」

2025年1月14日 15:39
【速報】宝塚歌劇団を法人化「株式会社」に…ガバナンス強化の一環 6年目以降の劇団員も雇用契約に 阪急阪神HDが発表「新しい時代に相応しい形へと進化」
宝塚大劇場

 阪急阪神ホールディングスは14日、宝塚歌劇団について、ガバナンス体制強化を一環として、阪急電鉄100%出資の「株式会社宝塚歌劇団」を4月1日に設立すると発表しました。入団6年目以降の劇団員についても「雇用契約」を継続できるよう、給与体系を再整備するということです。

■宙組所属の劇団員が自殺…遺族側と和解 パワハラを認め再発防止策

 宝塚歌劇団をめぐっては、2023年9月、宙組に所属する25歳の女性が自宅マンションの敷地内で死亡しているのが見つかりました。女性は自殺したとみられていますが、女性は下級生の“まとめ役”を務める中で長時間にわたる残業をしていた上、上級生からヘアアイロンを押し当てられてやけどを負ったり、「下級生の失敗は、すべてあんたのせいや」「ウソつき野郎」などと言われたりしていたことが、遺族の代理人弁護士を通じて明かされていました。

 その後、劇団側は、「劇団幹部や上級生の行為の多くがハラスメントに該当する」との見解を示し、遺族側と劇団側で複数回にわたって協議が行われ、2024年3月には、歌劇団側と遺族側の協議が合意に達し、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長、嶋田泰夫社長、宝塚歌劇団の村上浩爾理事長らが遺族に直接謝罪し、合意書を締結したことを明らかにしました。

 遺族側が主張していた15項目のパワハラ行為については、遺族側との話し合いで14項目に整理したうえで全てについてパワハラを認め、再発防止策を公表しています。

■法人化により取締役会での報告・監督、内部監査でのモニタリング強化

 こうした中、阪急阪神ホールディングスは14日、宝塚歌劇団を阪急電鉄が100%出資する株式会社として新たに設立することを明らかにしました。

 これまで宝塚歌劇団は、阪急電鉄内の事業部門の1つでしたが、法人化することにより、取締役会での報告・監督や内部監査によるモニタリングを強化する狙いがあります。劇場の保有や、チケットの販売は引き続き阪急電鉄が担い、新会社に対し公演企画・制作などを委託する形となります。

 組織内には、演技者や制作スタッフを含む公演企画・制作などの実務を担う「事業部門(第1線)」、総務・人事・経理などを担う「管理部門(第2線)」、劇団の運営を客観的に評価する「内部監査部門(第3線)」の3つの部門を設置し、劇団運営の適正化を図るとしています。新会社における取締役は過半数を社外出身者とし、監督機能の強化を図るということです。

 「株式会社宝塚歌劇団」は4月1日に設立され、7月をめどに阪急電鉄から事業を継承する予定だということです。

■6年目以降の劇団員 業務委託契約から雇用契約に「新しい時代に相応しい形へと進化」

 また、これに併せて、入団5年目までを雇用契約、6年目以降をタレント契約(業務委託契約)としている現在の雇用形態から6年目以降の演技者についても雇用契約とし、給与形態を再整備するほか、演出助手やプロデューサー補への裁量労働制や、これまで労働時間として扱っていなかった自主的な稽古についても、参加が必要となる稽古については一定の管理下で労働時間として扱うなどの見直しをするとしています。

 阪急阪神ホールディングスは、「宝塚歌劇を新しい時代に相応しい形へと絶えず進化させ、将来にわたって“夢”と“感動”を提供し続けられるよう、引き続き宝塚歌劇団及び阪急電鉄、阪急阪神ホールディングスが一体となって、全力で改革に取り組んでまいります」とコメントしています。

最終更新日:2025年1月14日 16:37