×

【独自解説】特殊詐欺はお金の詐取だけではない!?銀行口座やキャッシュカードは犯罪に重要なツール 甘い言葉に騙され、知らない間に犯罪の片棒を担ぐことに…?

2024年8月23日 16:00
【独自解説】特殊詐欺はお金の詐取だけではない!?銀行口座やキャッシュカードは犯罪に重要なツール 甘い言葉に騙され、知らない間に犯罪の片棒を担ぐことに…?
甘い言葉に騙されて、知らない間にあなたも犯罪者になっているかも

 知らない間に、あなたも犯罪者になっているかもしれません!特殊詐欺は、お金を騙し取られるだけではないのです。「現金プレゼント」を口実に銀行口座を騙し取られる詐欺とは?特殊詐欺に詳しいジャーナリストの多田文明氏が解説します。

■「口座のキャッシュカードを送れば、口座にお金を入れてカードを返す」という言葉に騙されて…

 被害者のA子さんは、20代で借金がありました。お金を配るというSNSにコンタクトを取ったところ、「いくら現金が欲しい?」と聞かれ、「20万円」と返したといいます。その後、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」でやりとりが始まり、男から電話がかかってきました。

 そして、男が提示してきた条件は、大手銀行の口座を開設して「銀行から届いたその口座のキャッシュカードを送れば、一週間後に口座にお金を入れてカードを返す」というものでした。A子さんは言われた通り、新規の銀行口座を2つ開設しました。

 そして、「その作った口座のキャッシュカードと通帳と暗証番号を入れたものを、レターパックで送ってほしい。そうすれば、各口座に40万円ずつお金を入れて、カードを返却する」と指示されたそうです。

 実際に、A子さんには大手銀行から口座に不審な動きがあったとして「犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく取引時確認をさせていただきたいと存じます」という文書が届いていたのですが、これを見越していたのか、男から「(銀行からの)書類がお客様のご自宅に届くと思います。それは案件が進んでいる証拠なのでご心配なさらないようにお願いします。全て無視して大丈夫です」と銀行からの文書を無視するよう指示があったということです。

Q. こういう文章が届くということは、銀行が怪しい取引を心配しているのでしょうか?
(ジャーナリスト 多田文明氏)
「おそらく、“不正口座”であると銀行側が認識して、こういった書類を送ってくると思います」

(多田氏)
「お金を取られることは注意するが、空の口座を渡すことは問題ないと思いがち。犯罪組織にとって口座は詐欺を行うための“重要なツール”」

■銀行口座の譲渡は場合によっては“詐欺罪”で10年以下の懲役になることも!

亀井正貴弁護士によると、
① 口座・キャッシュカード・暗証番号など第三者に利用させるも目的を持って譲渡した場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金。
② 他人に譲渡する目的なのに隠して銀行で口座開設・預金通帳を得た場合は、詐欺罪が成立・10年以下の懲役。だといいます。

Q.銀行口座やキャッシュカードというのは、犯罪に重要な道具となるのですか?
(多田氏)
「騙したお金をいかに受け取るか。そうしたツールをどれだけ持っているかということが、詐欺グループにとって重要です。また、こういった口座を作った人に、お金を騙し取られた人が、弁護士を通じて『金返せ』と言ってくることもあります」

 A子さんの場合は、キャッシュカードを渡した目的は譲渡ではなく、悪用されることも知らなかったため犯罪にはあたりません。しかし、罪となるケースもあるので注意が必要です。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年8月21日放送)