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鹿の角に奈良県が「厳重注意」 奈良公園で鹿の角に刺されてケガをする事故相次ぐ 昨年の2.5倍増

2024年10月10日 18:28
鹿の角に奈良県が「厳重注意」 奈良公園で鹿の角に刺されてケガをする事故相次ぐ 昨年の2.5倍増

 奈良公園で観光客が鹿の角に刺されてケガをする事故が相次いでいるとして、県などが10日、「厳重注意」を発表しました。

 約1200年前から“神の使い”とも呼ばれ、人々に親しまれてきた奈良の鹿。愛らしい姿で、現在では、外国人観光客にも大人気ですが…。

 10日、県庁やバスターミナルに登場したのは、角のある鹿に注意するよう呼びかける掲示板。中には「厳重注意」の文字が。

 瀬川裕大 記者
「実はいま、奈良の鹿によって観光客がケガをする事例が相次いでいるんです」

 奈良県によると、鹿の角が足に刺さるなどして観光客がケガをする事故が、9月は43件にものぼり、昨年の同じ時期(17件)の2.5倍ほどになっているということです。

 その要因の一つとされているのが、外国人観光客の増加です。

 インバウンドの回復と共に、鹿のエサとなる「しかせんべい」の売り上げが増加。食料が豊富になったことで、鹿の数も昨年より90頭ほど多くなったということです。

 奈良の鹿愛護会・山崎伸幸 事務局長
「例年300頭(の角)を切れば、ほぼ角切りは終わるんですけど、今年は330頭余り(の角を)切っておりますけれど、約100頭ぐらいまだいる」

 鹿愛護会は、外国人観光客は鹿が危険という認識が薄く、角のあるオス鹿に不用意に近づき、被害に遭うケースが目立つといいます。

 奈良の鹿愛護会・山崎伸幸 事務局長
「10月は本格的な発情期に入りますので、非常にオス鹿は攻撃的です。非常に危ないんだと、みなさまに認識してもらいたい」

 さらに、事故の件数が多くなった場合には、より強い呼びかけも検討するということです。