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【速報】逮捕者90人のSNS型投資詐欺事件「打ち子のエース」公開手配の男女を新たに逮捕 大阪府警 ラジオで手配を知り警察に出頭

2024年7月31日 12:33
【速報】逮捕者90人のSNS型投資詐欺事件「打ち子のエース」公開手配の男女を新たに逮捕 大阪府警 ラジオで手配を知り警察に出頭

 SNS型投資詐欺に関わっているとみられる2つのグループ、計90人が詐欺や詐欺未遂の疑いで逮捕された事件で、大阪府警は31日、公開手配していた5人のうち、男女2人を逮捕したと発表しました。男は仲間内から「打ち子のエース」と呼ばれ、交際関係にあった2人はラジオで公開手配を知り、警察に出頭したということです。

 詐欺の疑いで新たに逮捕されたのは、大阪市淀川区に住む無職の宮脇翔容疑者(29)と岡田真由容疑者(25) の2人で、SNSで投資を勧誘するメッセージを送る「打ち子」役とみられています。特に宮脇容疑者は仲間から「打ち子のエース」と呼ばれていたということです。

 警察によりますと、2人はすでに逮捕されている主犯格の会社役員、山田吉彦容疑者(43)らと共謀して、2024年2月から3月にかけて、愛知県に住む20代の会社員の女性に対し、SNSで投資を勧めるメッセージを送り、投資の指導料名目や投資に関する情報商材の購入費名目で現金約90万円を振り込ませて、だまし取った疑いがもたれています。

■ラジオで公開手配を知り、警察に出頭

 警察は24日までに2つのグループの90人を逮捕していましたが、行方が分からなくなっていた宮脇容疑者ら5人を公開手配していました。宮脇容疑者と岡田容疑者は交際関係にあり、ラジオで自分達が公開手配されていることに気づき、30日夕方、淀川警察署に一緒に出頭してきたたということです。

 2人は警察に対し、「スマートフォンは持たない主義です」などと話していて、自宅の捜索でもスマホは見つかっていないということです。

■フリマアプリを使う手口、約2100台のスマホ押収

 2つのグループは、一定の基準に基づいて二者択一で選んで取引する「バイナリーオプション」と呼ばれる投資方法を勧めていて、「今まで約2000人の生徒をお教えして、8割以上が目標達成されています 」「勝率が80%にあがる商材がある」「92%の最上級の商材もある」などと言って、ウソの情報商材を買わせていたということです。

 グループは被害者に情報商材を買わせる際にはフリマアプリを悪用。「ポケモンカード」と称して、フリマアプリに出品した上で、被害者に購入するよう指示し、実際には情報商材を送っていたということです。フリマアプリを使えば、双方が名前や住所を明かさずに売買できることから、グループの特定や金の流れを分かりにくくするためだとみられています。

 2つのグループが関わっているとみられる詐欺事件の被害総額はあわせて約9億5000万円にのぼり、捜索した10か所の拠点から約2100台のスマートフォンを押収したということです。SNSでメッセージを送る「打ち子」の拠点だったとみられています。

 警察は、これまでに逮捕された容疑者らが容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

■逃走続けるリーダー格の中村容疑者らの行方を捜査

 警察は、公開手配後も逃走している、リーダー的な立場とみられる中村晋弥容疑者(41)、実行役統括とみられる上家夕貴容疑者(30)、金庫番とみられる吉岡公充祥容疑者(29)の3人の行方を追うほか、2つのグループの犯行の手口が似ていることから、関連があるとみて捜査を進めています。

 一方、すでに逮捕した90人のうち、50人は関与の度合いなどから釈放して、任意で調べています。

■SNS型投資詐欺は被害急増、摘発は全国初

 SNS型投資詐欺は近年急増していて、警察庁によりますと、2024年1月から5月の全国の被害件数は3049件(前年同期比2568件増)、被害総額は約430億円(同381億円増)となっています。中には著名人をかたる犯行もあり、政府が対策を進めています。

 大阪府警によりますと、SNS型投資詐欺の事件で、グループの拠点を摘発するのは全国で初めてだということです。