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【物議】公立の男子校・女子校の廃止を巡り大論争!共学派「ジェンダー平等の時代に合っていない」 vs男女別学派「ニーズがある」あなたはどっち?それぞれの主張を徹底検証

2024年5月1日 16:00
【物議】公立の男子校・女子校の廃止を巡り大論争!共学派「ジェンダー平等の時代に合っていない」 vs男女別学派「ニーズがある」あなたはどっち?それぞれの主張を徹底検証
なぜ今、共学化の論争が?

 埼玉県で男子校・女子校の廃止を巡って論争が巻き起こっています。「県立の男子校・女子校は共学にすべき」との意見がある一方、「共学化は必要ない」という意見も。いったい、今何がおこっているのでしょうか?

 そもそもの発端は、「埼玉県立の男子高校が女子の入学を拒むのは不適切だ」と県に苦情が入ったことです。そして2023年8月、埼玉県の第三者機関が県立の男子校・女子校について、「共学化すべき」と埼玉県の教育委員会に勧告しました。

 全国の公立高校での男子校・女子校の推移ですが、男・女別学の公立高校は急激に減っています。

 また、埼玉県の、共学・別学の比率を見てみますと、公立高校で91.5%が共学、私立高校は83.6%が共学となっています。

 別学廃止に賛成の市民団体の教学ネット・埼玉・志磨かおる世話人は、「今の時代は、税金を使っている公共の学校として一方の性の入学を認めないというのはおかしい。平等であるべき公教育のあり方に反する。性的少数者の権利を擁護すべきだ」としたうえで「『別学』の歴史や伝統を否定するわけではないが、公立の学校であるにもかかわらず、『異性がいないことがプラスになる』という考え方はジェンダー平等の時代に合っていない」と話しています。

 別学廃止に反対の県立浦和第一女子高等学校・栗原美恵子同窓会長は「埼玉県にはすでに共学校がたくさんある環境の中に少数の別学校が配置されている状況は、多様な選択肢の中から選べるという非常に好ましい状況。卒業生や在校生の話を聞くと、『別学』には一定のニーズがあり、多くの学校が共学である現状を踏まえると、別学廃止は学校選択の権利を奪う行為」と話しています。

Q.男子校に通っていてどうでした?
(男子校出身・野村明大読売テレビ解説委員)
「高校時代は、みんな女子がいないことを残念がっていて、『なんで男子校に入ってしまったんだろう』って愚痴ばかり言っていました。しかし、卒業して20年30年経つと、『母校が共学になるのは嫌だ』という同窓生が多くいます」

 男子校の埼玉県立浦和高等学校で生徒会がアンケートを実施した結果、約85%が廃止に反対 だったということです。4月21日には、生徒会の発案で教育委員会への意見表明会を開催し、生徒の「異性を気にせず学業に打ち込みたい」や「別学を選ぶ権利を奪わないでほしい」などという声を伝えました。

Q.異性の目を気にしなくてもいいというのはありましたか?
(野村解説委員)
「異性との恋愛に巻き込まれずに勉強に専念できるという面はありました。一方で卒業した後で“恋愛偏差値”が低いということに気付くケースも多いと思います」

 埼玉県の教育委員会は、第三者機関の勧告を受け4月17日から県在住・在学の中高生とその保護者に無記名でウェブアンケートを行いました。しかし、「無記名で、一人で複数回入力できる。仕組みがずさんだ」などと苦情の声がありました。

 それを受け、4月19日にアンケート受付を停止、改めて生徒名記入方式で再開され4月25日午前11時現在で1万9963件の回答があるということです。埼玉県の教育委員会は、勧告に対する措置を8月に報告するとしています。

(「情報ライブミヤネ屋」2024年4月26日放送)