【ナゼ?】黄金の国・ジパング再来の夢?北海道で『金の採掘計画』が浮上も、地元住民らは猛反対!「鉱毒で川が汚染されるのでは…」金の採掘は希望か、それとも分断を招くのか―
その昔、我が国を「豊富な金を有する黄金の国・ジパング」と紹介したイタリアの商人、マルコ・ポーロ。それから時が流れた今、金を巡って北海道の2つの町が揺れに揺れています。突如持ち上がった金の採掘計画に、住民らは猛反対。さらに、町長同士の意見も真っ二つ⁉一体、何が―。
■北海道の長万部町・黒松内町に金が埋蔵?かつては金の産出量が全国9位
北海道・長万部町(おしゃまんべちょう)から黒松内町(くろまつないちょう)にまたがる約14㎢にわたり、金を調査する“試掘権”を取得したのは、オーストラリアの企業『キンギンエクスプロレイション』の日本法人です。
長万部町・静狩地区には静狩金山があり、一時は金の産出量が全国9位に。多くの金が取れていましたが、1962年に、採算が合わなくなり閉山しました。
2024年7月19日に開催された住民(黒松内町)説明会で配られた資料には、「Kin-Gin Exploration(キンギンエクスプロレイション)は金鉱の発見を目指す企業」などと記されていました。
『キンギンエクスプロレイション』日本法人・細川泰行さんは、「彼ら(オーストラリアの企業)のターゲットは、日本なんです。日本は昔からのジパング・金の国。ここは昔の採石場があり、この場所に金があるかないかを探りたい」と説明しました。
■「鉱毒で川が汚染されるのでは…」住民らに広がる不安と反発の声
ただ、地元では不安の声が上がっています。調査エリアに隣接する牧場の森塚さんは、「牧場の中に流れる川は、牛の水飲み場。鉱毒で川が汚染されるのでは…」と、掘削の中止を求めています。また、調査エリア近くでアユ釣りをする千葉さんも、企業側は有毒なものは出さないと言っていたものの、「いくら出さないと言っても出るんですよ」と訴えました。
Q.「掘ってみなければわからない」という難しさがありますよね?
(元経産官僚・岸博幸氏)
「本当に、掘らないと何もわかりません。まず、金の鉱脈が残っているかもわからないけど、それで深くボーリングすれば、当然ながらいろんなものが地下から川や地下水に混じる可能性もあります。地元の農業は水が大切なので、懸念するのは当然です」
■「不安感のほうが強い」「ロマンだよね」町長間でも分かれる見解
そんな中、『キンギンエクスプロレイション』グレッグ・フォウリス会長は、「黒松内は、緑に対して非常に高い意識を持たれている。どうやったら受け入れてもらえるのか探っていきたいと思っています」と話しています。
また、自治体の町長同士も見解が分かれています。「自然環境などの影響は本当にないのか、一番の我々の関心事。どちらかというと不安感のほうが強い」と話す黒松内町・鎌田満町長に対し、長万部町・木幡正志町長は「静狩地区は一番、鉱工業として栄えた町。再来の夢がもう一回起きるのかなという希望もある。ロマンだよね」と語っています。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年9月20日放送)