【地震】宮崎で震度5弱『南海トラフ臨時情報』 “注意”基準満たさずも「いつ起きても不思議はない」
13日夜、宮崎県で震度5弱を観測する地震があり、気象庁は南海トラフ地震臨時情報の「調査中」を発表。分析の結果、巨大地震発生の確率が高まったとみられる現象ではないとしましたが、いつ起きてもおかしくない災害への備えが問われています。
(読売テレビ報道フロア)
「ピーピーピーピー」
「5強予想です、九州で震度5強予想です」
13日夜、読売テレビの報道フロアに鳴り響いた緊急地震速報。
13日午後9時19分ごろ、日向灘を震源とする地震があり、宮崎県で震度5弱を観測。高知県と宮崎県では、一時、津波注意報が出され、最大20センチの津波が観測されました。
気象庁は、「南海トラフ地震臨時情報」の「調査中」を発表し、専門家らが分析を行いました。その結果、「南海トラフ地震発生の可能性が、平常時と比べて相対的に高まったと考えられる現象ではない」とし、調査を終了しました。
「臨時情報」と言えば…。
有吉優海記者
「和歌山県白浜町の千畳敷です。普段なら夏休みということもあって、観光客で賑わっているはずなんですが、入り口には立入禁止と書かれています」
2024年8月、初めての臨時情報「巨大地震注意」が、お盆の“かき入れ時”に発表。関西屈指の観光地・白浜では、1週間にわたって白良浜海水浴場など4か所が閉鎖され、大きな打撃を受けました。
きょう14日、白浜町では……。
奈良県からの旅行者
「10月くらいにホテル予約していたので、一応地震があったから、きのうちょっと考えたんですけど、もう大丈夫って朝から言ってたし」
滋賀県からの旅行者
「いろいろ悩んだんですけど、祖母たちは(旅行を)辞めるという決断だった。僕たちは ここしか休みとれないので来た」
2024年8月、臨時情報の影響でキャンセルが相次ぎ、系列のホテル5館で合わせて約1億円の損害を受けた町内のホテルは…。
『ホテルシーモア』予約センター長・松平哲也さん
「今のところ目立ったキャンセルも出ていない。地震自体に関しては、何事もなかったということでほっとした気持ち」
2024年の臨時情報以降、フロントなどに自治体の防災情報に繋がるQRコードやハザードマップを新たに掲示し、“もしも”に備えています。
評価検討会の平田会長は、今回の地震が「巨大地震注意」の発表基準の3分の1程度と小さかったと説明した上で、「南海トラフではいつ地震が起きても不思議ではない。これで決して安心することはなく、地震への備えを続けてほしい」と呼びかけています。
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(中谷しのぶキャスター)
「改めて13日午後9時19分頃に発生した地震なんですけども、マグニチュード6.6(速報値6.9)、震度5弱。南海トラフの想定震源域があり、去年地震が起きたあたりで今回も地震が起きたのですが、西の端、そしてマグニチュード6.6ということで、南海トラフ巨大地震とは関連が無い、と結論が出されました。
そもそも南海トラフ地震臨時情報というのは、マグニチュード6.8以上の地震が起きた時に、南海トラフ巨大地震と関連があるかを調査するというものですが、その結果は3つ想定されます。
巨大地震の『警戒』と結果が出た場合は、1週間程度、高齢者などは避難することが求められます。
巨大地震『注意』の場合は、備えを再確認したり、必要に応じて自主避難をすることが求められます。去年8月初めて発表されたのが、巨大地震注意で、和歌山の海水浴場が一週間閉鎖されるなどしました。
今回出されたのは、『調査終了』で、発生に注意しつつ、通常通り生活してください、ということです。
改めて、一週間程度、同規模程度の揺れが再び起こるおそれがあるので、備えを確認してください」
(高岡達之 読売テレビ特別解説委員)
「表現だとか、どなたが発信するのかで、安心感というのは人によって違いますので、去年のような、無用のとは言いませんけども、人々の恐れを必要以上に助長するような表現は、メディアも含めて考えないといけないなと今回も感じました」