三菱UFJ銀行がコメント 元行員の女性(46)逮捕うけ 顧客の資産盗んだ新たな手口も公表
三菱UFJ銀行の元行員が、顧客の貸金庫から現金などを盗んでいた問題で、警視庁が元行員の今村由香理容疑者(46)を窃盗の疑いで逮捕したことをうけ、三菱UFJ銀行はコメントとともに、今村容疑者による窃取の手口などについて、新たな情報を公表しました。
三菱UFJ銀行はコメントで、「お客さまをはじめとしたご関係者の皆さまにご迷惑とご心配をおかけしており、改めて心よりお詫び申し上げます。」と改めて謝罪しました。その上で、「これまでと同様警察の捜査に全面的に協力してまいります」としています。
また、「被害にあわれたお客さまへの対応と、全てのお客さまのご不安払しょくを最優先に対応しており、被害にあわれたお客さまの補償について引き続き誠意を持って対応を進めております。事案の発生原因の分析と、予備鍵の本部一括保管を含む重層的な再発防止策の策定を進めており、完了次第別途お知らせする予定です。」としています。
また三菱UFJ銀行は、今村容疑者による顧客の資産窃取の手口に関する新たな情報も公表しました。
それによりますと、今村容疑者は、支店で保管していた顧客の予備の鍵を不正に利用して貸金庫を開けていましたが、予備鍵を保管していた封筒を開けて鍵を使用した後、封筒に戻し、再度のり付けをして保管場所に戻していたということです。
また、顧客の資産を盗んだことが判明しないよう、他の顧客の資産を使って盗んだ資産を戻したほか、顧客から、貸金庫の内容が違っていると申し出があった際には、「忘れ物がありました」と噓の説明をした上で、盗んだ資産を補填していたということです。
さらに、想定外のタイミングで貸金庫の利用者が来店した際には、貸金庫システムの電源を自ら切り、利用者にはシステムの故障を装って、盗んでいたことが発覚するのを回避していたということです。
また今村容疑者は、盗んだ顧客の資産を、主にFX投資に流用していたとしています。
三菱UFJ銀行は、「本事案は信頼・信用という銀行ビジネスの根幹を揺るがすものであると重く受け止め、全行を あげて再発防止策の策定と実行に取り組み、お客さまや関係する皆さまからの信頼の回復に努めてまいります」としています。