LA“史上最悪”の山火事 “消防局の予算削減”市長の責任追及も
いまだ終息のめどがたたないアメリカ・ロサンゼルスの山火事。犠牲者が、さらに増える見通しです。史上最悪の山火事は、なぜここまで拡大したのか。市長の責任を追及する声も相次いでいます。
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アメリカ・ロサンゼルスで延焼が続く“過去最大規模”の山火事。これまでに24人が死亡し、いまだ約9万人が避難を余儀なくされています。そこに便乗し、治安が悪化。地元当局によると、これまでに少なくとも20人が略奪で逮捕されたということです。
現在も複数か所で火の手が上がるロサンゼルス。焼失面積は164平方キロメートル余りで、これは東京ドーム約3500個分にあたります。
鎮圧のめどはたっていません。延焼を食い止めるため、木々が切られていきました。15日までは強風が続く見通しで、被害の拡大が懸念されています。
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全豪オープンの初戦に臨んだ大坂なおみ選手。試合後、拠点とするロサンゼルスについて問われると…
大坂なおみ選手
「火の手は私の家の3ブロック先まで迫っていました。正直なところ、集中を切らさずにプレーできたとは思っていません」
それでも試合には無事、勝利。1歳半の娘など家族も無事だといいます。
大坂なおみ選手
「家には娘との思い出が詰まっています。思い出の品もたくさんあります。ただ誰かに取ってきてもらおうとしても、全部は持ち出せません。私は娘の出生証明書を取りに行ってもらいました。燃えたら取り返しがつかないので」
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街にまで延焼した“史上最悪”の山火事。責任の所在が、問われる事態になっています。
ロサンゼルス カレン・バス市長(13日)
「国立気象局はハリケーンに近い強風を予測しています。そのため緊急の準備をしています」
ロサンゼルスのカレン・バス市長。地元メディアによると、2024年から2025年度の消防局の予算を、日本円で27億円余り削減したとして、責任が問われています。
消防局長からは、12月の時点で「消防署に不可欠な業務の維持に悪影響を及ぼしている」という報告がありました。
火災発生後には、ロサンゼルス在住の著名人からも次のようなコメントが出ました。
俳優 ジェームズ・ウッズさん
「防火管理を理解していない」
俳優 サラ・フォスターさん
「私たちはカリフォルニアで一番高い税金を払っているのに消火栓は空っぽ」
予算削減との関連はわかっていませんが、消火に使う貯水タンクが枯渇し、満足な放水が行えなかったということです。
市長は「予算削減は影響を与えていない」などと反論していますが、これまでに13万人以上が辞任を求めて署名しています。