アメリカ連邦最高裁のリベラル派の判事が引退するとアメリカメディアが一斉に伝えました。後任には、同じリベラル派から黒人女性が起用される見通しです。

アメリカメディアは、9人いる最高裁判事の1人、スティーブン・ブライヤー判事が今年の夏に引退すると一斉に伝えました。

ブライヤー氏はリベラル派で83歳。最高裁の判事は大統領に指名する権限があるため、与党・民主党内からは、バイデン政権のうちにブライヤー氏が引退を決断し、後任にもリベラル派を据えるべきとの声が強まっていました。

バイデン大統領は選挙期間中から、「次は黒人女性を指名する」と繰り返し述べていますが、ホワイトハウスのサキ報道官は26日、「公約はまだ有効だ」としています。

現在、最高裁では9人の判事のうち6人が保守派、3人がリベラル派とされていて、ブライヤー氏が交代しても、保守派が優勢な状況に変化はない見通しです。

バイデン大統領としては、秋の中間選挙を前に、黒人女性の新たな起用で多様性をアピールし、支持回復につなげたい考えです。