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【解説】同じモノが再値上げ…チーズやスナック菓子に生活用品まで 記録的な“値上げの秋” 政府の対策は?

2022年8月22日 22:30
【解説】同じモノが再値上げ…チーズやスナック菓子に生活用品まで 記録的な“値上げの秋” 政府の対策は?

物価高が続いていますが、さらに今年は記録的な値上げの秋になるといわれています。

◇同じモノがまた値上げ
◇9月からは8000品目超え
◇家庭でもできる対策は?

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

   ◇

■チーズにスナック菓子…紙コップなどの原料も値上げに

今後、値上がりするものをまとめました。

雪印メグミルクは、「ネオソフトの300グラム入り(320円)」を、9月1日納品分から40円値上げします。「6Pチーズ」は、容量が108グラムから102グラムになり、6グラム減ります。(一部10月1日から)

このような実質的な値上げは全部で「50品目」あり、雪印メグミルクが値上げをするのは、4月に続いて今年2度目です。

森永乳業も10月1日の出荷分から、「クラフト切れてるチーズ(148グラム400円)」が450円に、「スライスチーズ(400円)」が420円になるなど、39商品で値上げします。チーズなどの値上げは、今年4月以来こちらも2度目です。

スナック菓子もまた値上げします。

カルビーは11月1日納品分から、「かっぱえびせん」など30品目を10~20%値上げします。今年4度目の値上げとなります。

湖池屋もカラムーチョなど、5つの商品を11月1日納品分から値上げします。こちらも今年4度目の値上げです。

食品だけではなく、生活用品にも値上げの波がきています。

日本製紙は、紙コップや紙皿などの材料となる原紙を、10月1日の出荷分から、15%以上値上げします。日本製紙は、今年1月以来の再値上げの発表となりました。 

岩谷産業は、10月3日の出荷分から「カセットこんろ」が約5~20%、「カセットガス」を約15%値上げします。こちらも2度目の値上げとなっています。

■値上げの背景は? 度重なる「情勢の悪化」が要因か

値上げに踏み切らねばならない背景には、度重なる「情勢の悪化」があります。

小麦など原材料価格が高騰しているほか、原油高による物流費や包装資材費なども上昇しています。加えて、急激な「円安」に伴う輸入コストの上昇など、さまざまな要因が重なって、再値上げ、再々値上げとなっています。

■記録的な「値上げの秋」に 9月以降に“8000品目”以上予定

値上げする商品がどれだけ増えたのでしょうか。

帝国データバンクによる食品の値上げについての調査では、今年1月から7月にかけて、合計で8058品目が値上げしました。8月になるとぐっと増えて、ひと月で2431品目の値上げとなりました。9月以降は、発表されているだけで8043品目が値上げします。特に多い10月は、そのうち6305品目が予定されていて、記録的な「値上げの秋」となりそうです。

■値上げへの“抵抗感”低下? 企業側の変化

値上げの理由について、円安などとは別の側面での指摘もあります。帝国データバンクは、企業にとって高かった価格改定への「抵抗感」が、年初に比べて低下しているとの見方を示しています。

今までだったら我慢していたところを、今は躊躇(ちゅうちょ)なく機動的に必要な値上げを行う企業も出てきているそうです。

■政府の対策は? 輸入小麦の価格据え置きを指示

止まらぬ物価高に対し、政府はどう対応するのでしょうか。政府は、9月上旬をめどに追加の対策をとりまとめる方針です。

例えば、食品の価格に大きな影響を与える小麦は、政府が買い付けた輸入小麦を製粉会社などに売り渡す価格が、毎年4月と10月に改定されます。今年の4月は17.3%も引き上げられ、それがあらゆる食品に影響してきました。

こうした中、岸田首相は10月以降も価格を据え置くよう指示しました。企業や家庭の負担が増えるのを回避する狙いがあります。

■家庭でできる工夫は? “逆転の発想”で節約も

政府が物価高への対策をとっても、家計への効果を実感するには受け身では厳しく、積極的な節約も重要になります。

買い物でどういう工夫をすればいいのでしょうか。

・安いものでメニュー決定
計画的に買いに行こうと、きょう、あすのメニューに合わせたメモを手に買い物する方も多いと思いますが、逆転の発想で、メニューを決めて買うのではなく、安いものを選んで買ってそれにメニューを合わせるという方法があります。

・代替品を探す
さらに、「いつもの商品」の代替品を探すという方法もあります。スーパーなどのプライベートブランドも活用できます。

・買いだめ注意
買いだめしたくなりますが、本当に注意しないといけないのは、「使いきれるかどうか」です。消費期限の確認も行いましょう。

買い物以外でも、皆さん涙ぐましい努力をしています。例えば、「家庭菜園」で野菜を育てる場合、これからの時期は、ブロッコリーや水菜がお勧めだそうです。

他にも、節電の手段でもありますが、家族全員が同じ部屋で寝るというのもあります。まだ暑さが続きそうですが、夜風が涼しくなる時まではこうして頑張るのもいかがでしょうか。
   ◇

誰もがすでに努力と工夫を重ねている毎日。生活の安定は何にも優先すべきことですので、政府には1日も早く対策を打ち出し、実行に移してほしいところです。

(2022年8月22日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)

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