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強羅・芦之湯・湯本…箱根の名湯影響は?

2015年7月3日 19:08
強羅・芦之湯・湯本…箱根の名湯影響は?

 先月末から今月1日にかけて、ごく小規模な噴火が発生した神奈川県の箱根山の周辺にある「箱根温泉」。強羅温泉など全部で20の温泉が集まっていて、源泉も別々の場所にある。現在、大涌谷から約1キロの範囲の立ち入りが規制されているが、果たしてそれぞれの温泉にはどのような影響が出ているのだろうか。

 箱根町の芦之湯にある創業300年の温泉旅館「きのくにや」。敷地内に源泉があるほか、約1キロ離れた湯ノ花沢温泉の源泉からもお湯を引いている。お湯の質も量も、箱根山の噴火の影響は一切受けていないという。しかし、今夏の客の入りについては噴火の影響がないにも関わらず、今月の客は前年同月比で8割減ったという。

 箱根町では3日前、大涌谷から約1キロ範囲の立ち入りが規制された。箱根には20の温泉があるが、そのうち仙石原と強羅の一部の宿などでは温泉が出なくなった。火山活動の影響で温泉を供給する配管の一部が破損したためとみられている。ただ、多くの温泉では火山活動の影響は見られず、これらの温泉を利用する宿泊施設では問題なくお湯に入れるという。

 湯本にある温泉旅館「箱根花絞」では、敷地内で温泉が湧き出ているが、噴火以降、お湯の量・質ともに何も変化はなく、宿にはかけ流しの湯を楽しめる露天風呂付きの部屋がある。5月に火山情報が出た時は例年に比べて3割、客が減ったが、お湯が十分に供給できていることもあり、客足は回復傾向にあるという。

 噴火の影響は温泉だけではなく、箱根湯本のお店にも及んでいる。箱根温泉まんじゅう丸嶋本店の久保寺治郎社長は「(客は)最近、落ちてきました。(まんじゅう)作っても残っちゃうので、客が減れば生産量も減らし、在庫が残らないようにしている」と話している。

 箱根山の避難指示区域では3日、ホテルなど宿泊施設の関係者や温泉の研究者が原則2時間の立ち入りを許された。

 依然、噴火警戒レベル「3」が続く大涌谷。気象庁は「火山活動が活発になっている可能性がある」として、警戒を呼びかけている。